# 労働

韓国人が鼻で笑う、ニッポンの「外国人労働者政策」は欠陥だらけ

外国人労働者が日本を捨てる日
小田切 隆 プロフィール

そして何より重要なのが、「外国人が働きに来たくなる制度作り」を進めることができるかだ。ただでさえ「英語が通じづらく、日本へ行って働く気がしない」(30代のフィリピン人の女性英会話講師)とされるだけに、受け入れのための制度が不十分なら、国際的な人材獲得競争に確実に負けてしまうことになる。

その点、韓国は進んでいる。

 

外国人労働者が日本を捨てる日

韓国では「雇用許可制」という制度を作り、ミャンマー、ベトナムなどから単純労働者を受け入れているが、送り出し国には、政府事務所を置いて仕事を紹介し、悪質なブローカーを排除しようとしている。韓国に来る外国人に対しては、社会に溶け込めるよう、事前に韓国語や技能の勉強を義務付けている

さらに、韓国で働き始めた外国人に関しても、全国に40カ所以上の支援センターを設置し、16の送り出し国のすべての言語で相談できる窓口を置いている。一部のセンターでは趣味活動の支援を行うまでしており、「共生」に向け政府一丸でサポートする姿勢が徹底している。

韓国の「働きやすさ」「住みやすさ」の情報は、会員制交流サイト(SNS)などを通じて実際に働いた人から拡散され、韓国へ働きに来る人をさらに増やす「好循環」につながっているようだ。

欧州でも、人口減や年金制度の持続性に危機感を持つドイツが「移民」の受け入れに積極的だ。一定期間以上、在住する外国人には、ドイツ語や歴史、文化などの学習を義務づけるなど、ドイツ社会へ溶け込むことを容易にする取り組みを、やはり政府が音頭をとって進めている。

日本政府にも一応、問題意識はある。7月の関係会議で示した「総合的対応策」案には、「日本語教育の充実」「行政・生活情報の多言語化」といった外国人に対する支援案が列挙された。

だが、具体的なメニューは何も決まっておらず、実施も企業任せというお粗末な内容だ。政府主導で外国人受け入れを強力に進める覚悟がなければ、韓国などのライバルに負けるのは「自明の理」。生産力の底上げなど、絵に描いた餅になりそうだ。