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韓国人が鼻で笑う、ニッポンの「外国人労働者政策」は欠陥だらけ

外国人労働者が日本を捨てる日
小田切 隆 プロフィール

ブローカーまがい業者の暗躍、搾取的な労働現場…

政府で外国人労働者受け入れの中心になっている菅官房長官は、介護業界関係者らとの面会で人手不足の苦境を訴えられ、受け入れの必要性を実感したという。菅氏は、はじめ積極的でなかった安倍晋三首相の説得にも動いた。

港を抱え、国際色豊かな横浜市を選挙区とする菅氏は、「外国人の活用によって日本経済の穴を埋めることに抵抗がない」ともささやかれる。低迷する日本国内の消費を補っている訪日外国人客の誘致政策も、菅氏の肝いりだ。

 

訪日外国人客数は17年、2869万人に達し、過去最多記録を塗り替えた。旅行消費額も4兆円を上回る水準だ。ビザの緩和や消費税の免税制度を進めてきたこと、日銀の大規模な金融緩和策で円安が進み、日本への旅行が割安になったことが後押しした。

はじめ政府は、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年に、訪日客数を2000万人とする目標を掲げていたが、早々に達成したことで、現在は20年の目標を4000万人と、倍増させている。

こうした訪日外国人の誘致拡大策を、菅氏は、治安の悪化を心配する公安当局の反対を押し切り断行した。新たに進める外国人労働者の受け入れは、うまくいった訪日外国人の誘致策政策の「二匹目のドジョウ」を狙うものだ。

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もっとも、外国人労働者の受け入れ拡大には懸念や批判が根強い。

たとえば、現在、単純労働に活用されているのは、日本の語学学校や専門学校、大学、大学院などで勉強している留学生のアルバイトや、日本の技術を労働現場で学ぶため発展途上国から来日し、事業所などと契約して働いている技能実習生だ。留学生、技能実習生ともに学ぶことが目的なので、建前上、単純労働をするために日本へ来ているわけではない。

だが実際は、留学生が通う日本語学校の中には、働き手を労働現場へ斡旋することが目的の悪質な業者もいる。違法に長時間、働かされたり、十分な賃金が支払われないといった劣悪な労働環境に耐えきれず、技能実習生らが失踪してしまうケースも目立つ。転職の自由がきかない技能実習制度は、「現代の奴隷制度だ」とすら揶揄されている。

今後、資格の新設で、さらに多くの外国人を受け入れるようなったとしても、悪質なブローカーまがいの業者の暗躍を許したり、搾取のような勤務や失踪が、ますます増えたりする可能性もある。

政府は法務省に対し、受け入れ環境整備のための「司令塔機能」を与え、在留管理を厳しくするとしている。上川陽子法相は、法務省の入国管理局の人員を増やし、「入国在留管理庁」(仮称)に格上げする方針だ。しかし、国の財政に余裕がない現状で、果たして必要な人材を確保できるのか、ハードルは高い。