大杉漣、西城秀樹の友人たちが「いまになって思うこと」

喪って改めてその大きさに気づいた
週刊現代 プロフィール

以前は歌わなかった昔の曲を歌っています/川﨑麻世(タレント)

西城秀樹 享年63'18年5月16日没(急性心不全)

僕が芸能界にデビューしたのは、テレビ番組で西城秀樹さんのモノマネをしたのがきっかけ。それを見たジャニー喜多川さんにスカウトされて、芸能界に入ったんです。

デビュー後は、挨拶するくらいの関係でしたが、秀樹さんのミュージカルを観に行ったことがきっかけでじっくりと話すようになりました。

その時は食事の後、2人で飲むために秀樹さんが宿泊しているホテルの部屋に行ったのですが、ピンクのドンペリがズラッと並んでいたのには驚きました。「僕はピンクが好きなんだよ」と仰っていました。

その後、別のミュージカルの再演で僕が秀樹さんが演った役をすることがあったのですが、降板して数年経った後でも、台詞をスラスラと口にしていたのは驚きました。

Photo by GettyImages

秀樹さんが言った印象的な言葉があります。僕がデビューして1年くらい経った時、秀樹さんが僕の楽屋に来て、「いつか君たちの時代が来るからね」と言ってくれた。

当時は僕も若かったので、この言葉の深い意味まではわからなかった。その時は「そんな時代は来ないだろう」と思いました。

でも、いまになって、あの時の秀樹さんの言葉の意味や僕にそう仰った時の心境が理解できます。

思えば、秀樹さんはスターでしたが、天狗になる人じゃありませんでした。自分を客観的に見ていて、常に危機感を持っていた。

たとえば、世良公則や原田真二がデビューして大人気だった頃、彼らと歌番組で共演すると、秀樹さんは自分の出番じゃなくても常に客席全体を見渡していました。

いまになってみると、どれだけファンが盛り上がっているのか、確認していたのだと思います。当時の僕は、あれだけのスターが何を気にする必要があるのか不思議でした。

「いつか君たちの時代が来るから」と口にした時の秀樹さんの心境は、ご自身に緊張感を持たせるための言葉だったのです。自分自身を叱咤激励する意味で、言ったのではないでしょうか。秀樹さんは20代でしたし、様々な葛藤があったのでしょう。

僕が秀樹さんから教わったのは、危機感を持って悩みながら生きることの大切さです。そうすることで、自分を律して前進することもできます。

 

秀樹さんが亡くなってから学んだこともあります。最近、僕がファン限定ライブをやった時、予定では昔の歌を少なめにしていたのですが、変更して、昔の歌を存分に歌いました。往年のファンは喜んでいましたね。

なぜかというと、秀樹さんの告別式に行った時、青山の斎場で秀樹さんの昔の曲が流れていたのを聞いて、学生時代や苦しかった時代などがフラッシュバックして泣いてしまったんです。

そこで、僕たち歌手が歌う曲は、ファンひとりひとりの思い出とつながっているのだなと気づいたんです。

いまも、秀樹さんは神のような存在です。これからも、僕は危機感を持ちながら、上を目指して走り続けたいと思います。