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限られた予算で、できるだけ「いい家」を建てるために知りたいこと

本当にお金をかけるなら「ここ」だ
マイホームは人生最大の買い物。マンションや建売住宅ならまだしも、注文住宅となると、どこにどれだけお金を使えばよいのか、誰もが悩むところだろう。柱は? 外壁は? 窓は? 床は? キッチンは? お風呂は? エアコンは? 限られた予算でベストな選択をするために絶対知っておきたいことを、『家を建てたくなったら』の著者で、一級建築士の丹羽修氏が語った。

本当にお金をかけるべきはここ

限られた予算で、できるだけいい家を建てたい。それはみなさんが考えることだと思います。そのためには、お金をかけるべきところには惜しまずにきちんとお金をかけ、削るべきところは思いきって削ることが大切です。

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みなさんの参考になるよう、お金をかけたほうがよい部分の優先順位をつけてみました。

1. 主要構造
2. 外壁、屋根
3. 窓、断熱材
4. 内装
5. 外部空間
6. 設備

基本的には、あとから手を加えるのが難しいところは優先順位が高めです。反対にあとで付け足したり、取り替えたりできるところは優先順位が低くなっています。

まず予算を削ってはいけないのが、基礎や柱などの主要構造部です。根本的なつくりの部分をしっかりしておかないと、家の安全性や耐久性を大きく損なってしまいます。

それから次が、耐久性が求められる外壁や屋根です。この部分で手を抜いてしまうと、すぐに傷みが出て、メンテナンス費用がたくさんかかることになります。

たとえば屋根で安い素材(化粧スレート)だと早ければ7~8年でメンテナンスの時期がきますが、ステンレスや瓦だと約20~30年に一度です。外壁や屋根は、建てるときにきちんとお金をかけておいて損はないところです。

 

そして3番目は、意外と忘れがちな窓と断熱材です。窓からは非常に多くの熱が逃げるため、断熱性に大きく影響します。住んでからの快適性をかなり左右しますので、窓のことはよく考えておいたほうがいいでしょう。

ここまでしっかりお金をかけたら、あとは床や壁などの内装です。内装のなかでも、直接肌にふれていることが多い床は、いちばん優先したいところです。

最後から2番目が外部空間、つまりは外構です。たとえば駐車場に屋根をつけたいとか、塀をつくりたいとか、そうしたことはあとからでも手が加えられます。

ただ、家というのは内部空間と外部空間もあわせて成立していますので、建築費の1~2パーセントだけでもいいので、外部に使っていただきたい。1~2パーセントのお金で庭に木を植えられたら、日々の生活や住まいそのものが、ぐっと豊かになります。

そして最後が設備。キッチンやお風呂などの設備は選ぶのがいちばん楽しいところです。だから、ついつい上位にもってきたくなる建て主さんが多いのです。その気持ちはよくわかるのですが、ここはぐっと我慢です。

設備は比較的容易に更新できます。また、エアコンや給湯器、浴室乾燥機など毎日稼働しているものは、家電と同じで、10~15年くらいで故障したり、機能が落ちてきたりします。そのときにはもっと高性能の新しいものが出ていますよね。

柱ならいいものは一生もちますが、設備は高いものを買っても、長く使ううちに必ず買い替えの時期がやってきます。だから、「新築時に無理して奮発する必要はないと思いますよ」といつもちょっとだけご説明しています。

こうしてみると、大事なのは地味なところばかりです。構造なんて、完成したらほとんど見えない。でも、その見えないところが大切なのだということを忘れないでください。