あの時のフジに似ている…?視聴率独走の日テレに突然立ち込めた暗雲

成功体験に縛られているのかも…
週刊現代 プロフィール

『イッテQ』も危ない

日テレはドラマも苦戦している。今クールでいえば、プライム帯の3本の連ドラが、いずれも最新話(8月13日現在)の視聴率が2ケタに届いていない。

特に人気女優・石原さとみ主演の『高嶺の花』は前評判が高かったゆえに局内のショックも大きいという。日テレでは'11年の『家政婦のミタ』以降、大ヒットしたドラマは皆無に等しい。その理由は何なのか。

「近年の日テレのドラマは、ジャニーズ事務所など大手芸能事務所とガッチリとタッグを組んで、まず主演俳優ありきでドラマを作っているんです。そのため制作サイドがキャスティングを自由に決めることができなくなっているんですよ。これもかつてのフジとよく似ています。

事務所側は日テレだから数字が稼げると期待する。ところが結果は平凡な数字に終わりますから、僕らは肩身が狭いですよ」(日テレドラマ制作スタッフ)

 

連ドラでヒットが出なければ、再放送で数字を稼げるコンテンツも生まれない。それが『相棒』や『ドクターX』を抱えるテレ朝や、日曜劇場という看板枠を持つTBSとの大きな違いだろう。

日テレの懸念材料は挙げればキリがない。

「各局がしのぎを削っている大型のスポーツ中継も、うちの目玉はラグビーくらいなんです。来年、W杯が日本で開催されて生中継する予定ですが、かつて五郎丸ブームに沸いた頃に比べると勢いがない。テーマ曲を誰が歌うかも決まっていないし、むしろ来年のリスク要素になっています」(前出・日テレ情報番組スタッフ)

番組表をよく見れば、日本テレビで圧倒的な強さを誇るのは実は、バラエティ番組だけだ。

特に日曜夜には、『ザ!鉄腕!DASH!!』、『世界の果てまでイッテQ!』、『行列のできる法律相談所』と高視聴率番組がズラリと並ぶ。

しかし、死角がないわけではない。3本ともすでに放送開始から10年以上が過ぎた長寿番組。どうしてもマンネリ化は避けられない。

「同じ番組名のまま、企画内容をガラリと変えることで、マンネリを避けようとしています。代表的な例が『行列のできる法律相談所』です。いまは法律相談の要素はほとんどなくなっています。

ですが、そのやり方自体にもやがて寿命が来るもの。メインの出演者が変わらなければ、しがらみや甘えの構造は避けられません。

結局、新しい企画は生まれにくくなる。『イッテQ』でさえも、イモトアヤコさんや出川哲朗さんなどが、ハードなチャレンジをこれからも続けられるのか、あるいは主要メンバーを入れ替えるのか、これは差し迫った課題だと思います。

実は昨年からは日テレの強力ラインナップに、各局とも同ジャンルの新番組をぶつけ始めています。結果はまだ討ち死に状態ですが、他局の企画が当たれば、一気に状況が変わる可能性はあると思います」(前出・宅間氏)

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元日本テレビプロデューサーで江戸川大学教授の内藤和明氏も言う。

「『イッテQ』も安心はできないんです。だんだんと企画の先が読めるようになってきています。それでも年配の方は見てくれるのですが、若年層はすぐに飽きてしまいます。

ただ、企画が当たり続けてしまうと、次の当たりを探すのが怖くなってきてしまうものなのです。新しい企画で数字を落としたらどうしようという心理になる。今の日テレは、まさにそのような状態で、そろそろ綻びが見え始めたと言えるのではないでしょうか」

かつてのフジテレビも'12年から視聴率が落ち始めたものの、決定的な手段を講じることはできなかった。お笑い芸人が楽屋オチのネタで騒ぐだけのバラエティ番組や、若い人気俳優が出逢ったり別れたりを繰り返すトレンディドラマが続いた。

ピークは去ったとはいえ、まだ10%前後ある番組を終わらせることは難しい。次の番組がそれ以下の数字に低迷する可能性のほうが高いからだ。そうしているうちに手遅れになってしまう。