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あの時のフジに似ている…?視聴率独走の日テレに突然立ち込めた暗雲

成功体験に縛られているのかも…

トップがいつのまにか最下位に転落しているのが、テレビ業界の恐ろしさ。今は「1強3弱」時代と言われていても、日テレは安泰ではない。視聴者は飽きやすく、そしてシビアな目を持っている。

テレ朝が迫ってきた

「また抜かれたよ」

本誌記者が取材で出会った日本テレビの現役プロデューサーはそう呟いた。

はて?日テレは今年7月の月間視聴率三冠(全日帯、ゴールデン帯、プライム帯)を獲得。これで月間三冠王は56ヵ月連続で、5年連続の年度視聴率三冠王に向けて視界良好のはずだが……。彼はこう漏らした。

「最新のデータによれば、7月23日から8月12日まで3週連続で全日帯の週間視聴率は、ウチがテレ朝に負け続けているんです。今後も全日帯は苦戦するでしょう。今年はまだ大丈夫でしょうが、来年以降の三冠王はちょっと分かりませんね」

確かに4月クール(4月2日~7月1日)の局別平均視聴率を見ると、日テレは三冠王ではあるものの、全日帯は7.6%で、7.5%のテレ朝とは僅差。日テレは前年同期と比べると3部門とも0.3~0.4%も下がっている。民放4局で、前年比減だったのは日テレだけだった。

元NHK放送文化研究所主任研究員で、次世代メディア研究所代表の鈴木祐司氏が指摘する。

「日テレの視聴率はピークを越えたのかもしれません。特に全日帯は3年連続で年度視聴率がマイナスを続けています。基本的に下降トレンドに入っていると言えるでしょう。さらに'17年度は広告収入も、ここ10年で初めて前年比でマイナスに転じています」

 

ほんの10年前、'04~'10年はフジテレビが7年連続で年度視聴率三冠王を獲得。それが、今や民放4局では最下位が定位置となった。

そして、今の日テレは、あのときのフジと酷似する部分があるという。

フジで編成部に長く在籍し、現在はフリープロデューサーの宅間秋史氏が言う。

「日テレには陰りが見え始めています。と言うのも、同じ数字でも、勢いがあるときの15%と新鮮さを失った状態での15%では意味合いが違い、脆いものなのです。

テレビ番組は生き物のようなもの。年を取り、体力が落ちてきても、それまでの蓄積ですぐに視聴率は落ちません。面白くなくなったと感じていても視聴者に視聴習慣ができているということがあるんです。

また、相対的に裏番組がまだ育っていないだけということもあるでしょう。そうして、視聴率と番組が持つパワーが乖離していくと、ある時、ガタンと視聴率が落ちだします。7~8年前のフジテレビがそうでした。いまの日テレはそういう状態かもしれない」