Photo by iStock
# 医療費

年収370万円以上の老人たちでも「医療費高騰」でマジでヤバい理由

いつの間に医療費がめちゃ上がっていた

月に2万円の負担増

「日本の医療費はどんどん上がっています。目を離したすきに、制度維持のため高齢者の負担が増やされているのです」

そう語るのは経済ジャーナリストの荻原博子氏だ。医療が進歩する一方で、医療費は高騰している。例えば'14年に登場した抗がん剤オプジーボを投与すると、年間1000万円もかかる。

もっとも、患者が実際に負担する金額は、これよりずっと少なくて済む。一定額を超える医療費は「高額療養費制度」によって戻ってくるからだ。

だが、国民の負担を軽くするこの制度に、大きな変更があったことをご存知だろうか。すでにこの8月から70歳以上の高額療養費制度の負担上限が上がり、自己負担が大きくなっているのだ。

「今回の変更は、現役並みの収入(年収約370万円以上)がある高齢者には、それ相応の負担をしてもらおうというものです。

高齢になっても働く人、企業年金や不動産の収入がある人はこれにあてはまるでしょう。全国の70歳以上のおよそ2割、400万~500万人が影響を受けることになります」(荻原氏)

 

今回大きく変わった点はまず、外来の医療費上限が上がったこと。これまで個人が支払う医療費の上限は、現役並み所得の人でも外来で月5万7600円、入院では計算のベースとなる額が月8万100円と定められていた。

しかし、8月から、外来の上限も入院と同じ8万100円に統一されたのだ。ファイナンシャルプランナーの北見久美子氏が解説する。

「入院をせず通院や在宅治療を行うことも多くなっている、がん治療について考えてみましょう。

注射や放射線など、高額な通院治療で、一ヵ月あたり自己負担が8万円かかるとします。これまでは個人の外来の上限は5万7600円でしたので、それを超える分は払い戻されていました。

しかし8月からベースが8万100円となり、8万円の治療費は全額自己負担になってしまいます。月に2万円以上も負担が増えるのです」

年収約770万円を超える高収入の高齢者は更なる負担増となる。

仮に入院時の医療費が月100万円かかる場合を考えてみよう。現役並み所得者の自己負担は3割で30万円となるが、高額療養費制度で、負担を減らすことができる。以前は8万7430円が上限額だったため、約21万円が戻ってきた。

しかし8月からはこの上限額も上がった。年収約770万円~約1160万円の人は17万1820円。さらに、年収約1160万円以上の人は25万4180円を支払うことになる。