私がロリータであることを伏せて「出会い系アプリ」を使った理由

結婚したいならロリータはやめるべき?
青木 美沙子 プロフィール

男性ウケなんて超絶ウルトラつまらない

この方以外にも、頑張って10人以上の男性とお会いしました。ロリータとかナースとか置いといて、ちゃんと人間同士として向き合おうと頑張りました。

が、ロリータファッションでお会いすると、残念ながらどの人も言うことは同じ。ずばり、「ロリータやめたら?」です。

そして会う前にも掲示板で色んな会話をしていたのに、いざ会ってロリータと分かると、会話のレベルが急落します。

こりん星から来たの?とか。
マカロンしか食べないの?とか。
ドールハウスに帰るの?とか。

これ、質問というより馬鹿にしています。なんていうか、ごくごく普通の会話が成立しない。こりん星って……あの人ロリータでもないし! マカロンって……血糖値どうにかなるし! ドールハウスって……普通に総武線快速で船橋に帰るし! こんな風に、なかなか悔しい思いをしたのであります。

写真:著者提供

この経験を通して、たくさんの男性にロリータやめろと言われたわけですけど、わたしの答えは決まっています。やめません。やめるかボケ。やめるわけないだろバカヤロウ。

わたしはロリータが大好きだし、もっと広めたいと思っています。男性ウケが悪いとか結婚相手を見つけたいという理由でロリータを人生から手放してしまったら、ご先祖様に申し訳が立ちません。

人生の中でこんなにも夢中になれるものを見つけて、そしてその世界で生きていける幸せを神様から与えられているのに、その幸せを男性ウケなんていう超絶ウルトラつまらないものの為に捨ててしまうなんて。罰当たりです。

なによりきっと、自分のことが許せなくなると思います。大好きなロリータを捨てて、自分を許せず、嫌いな気持ちのまま生きていくなんて、それはとても怖くて不幸なことでしょう。

 

ロリータに限らず、いわゆる適齢期を迎えた女性には社会からの重圧があります。結婚したいなら○○をやめろ、というプレッシャー。もっと生産的なことをしろ、という理不尽な暴力です。圧力にどう向き合うのかはそれぞれの判断だし、どれが正解なのかも分かりませんが、とりあえず、なるべく死ぬ前に後悔しなさそうなものを選んでいけば大丈夫なんじゃないかなあと感じています。

同級生とのランチをまた思い出します。出産をして赤ちゃんを乗せる彼女のベビーカーと、海外に日本発祥のロリータ文化を伝えるわたしのスーツケース。やっぱり、どう考えても、どちらも、尊い。夢と希望とカワイイが詰まっています。

ランチを終えて帰るとき、ベビーカーとスーツケースは仲良く並んでいました。全然違うのに、仲良さそうでした。同じ少女時代を過ごしたあとに、違う道を歩んだ同級生とわたし。そして日本中の女性たち。

それぞれが何かしらの重たい荷物を抱えて生きていて、電車や道端で心無い人に意地悪を言われたりして、それでも中身はとても大切なものだから、大事に抱えて運んでいます。中身を知らない人々がとやかく騒いだとしても、なくして後悔しないように、ぎゅっと抱えて生きていくのです。それが女子の最高にかっこよくてカワイイ生き様だと、わたしはずっと信じています。

それではごきげんよう。

*青木美沙子さん記事バックナンバーはこちら https://gendai.ismedia.jp/list/author/misakoaoki