国民民主党の代表選挙が8月22日告示され、玉木雄一郎共同代表と津村啓介元内閣府政務官が立候補した。投開票日である9月4日に向けて選挙戦が始まった。
国民民主党は2018年5月に、希望の党と民進党の再結集を狙って発足したが、両党合わせて107人いた衆議院議員と参議院議員107人のうち、6割しか参加しなかった。その結果、立憲民主党の63人に及ばず、目指していた野党第1党の座を逃した。
NHKの世論調査では、発足した5月の政党支持率は1.1%で、4月時点の希望の党(0.3%)と民進党(1.4%)を合わせた支持率を下回った。その後もジリジリと支持率を下げ、8月の国民民主党の支持率は0.4%と、ほぼゼロと言って良いところまで落ち込んでいる。
起死回生を狙った統合・新党結成だったが、完全に空振りに終わり、政党としての影響力をほぼ失っている。
そんな中で行われる代表選は、立候補した両氏が国民民主党の存在意義を訴える貴重な場になる。新代表が求心力を失えば、結党から4カ月で解党の危機に直面することになりかねない。
まだ序盤戦とはいえ両候補の戦い方は対照的だ。
玉木氏は「必ず、政権を取る。これが国民民主党を結党した意義」だとし、11分野43項目の政策を掲げる。現職の代表らしく、党としての未来戦略を描くオーソドックスな手法と言える。
一方の津村氏は来年の参議院議員選挙を念頭に、野党共闘を行って候補者を一本化すべきだと訴え、共産党との共闘にも踏み込む姿勢を見せた。政策というよりも戦い方の戦術の焦点を当てた代表選を戦う意向のようだ。
確かに、政権交代に向けた政策論議をすることは重要だ。選挙の顔である代表がどんな政策を打ち出すかを知っておくことは、党員や党所属の議員に取っても重要である。安倍晋三首相が進めるアベノミクスなどに対抗して政権交代を果たすには、柱になる政策が必要なのは言うまでもない。
選挙ではまず独自候補を立てる努力をするのが先決だというのが玉木氏の考えのようだ。