*Twitterで出題された問題の解答は2ページ目(問題A・問題B)、3ページ目(問題C)に掲載しています。
講談社に校閲の部署(当初は校正部)ができたのは、大正13年といいますから、今から94年前のことです。
それ以来、今日に至るまで、絵本あり週刊誌あり料理本あり、はたまた哲学書や理系の本もあり、という幅広い分野の書籍・雑誌に対応してきました。
その間に集積された、紛らわしい表記、変わった言い回しなどから抽出し、『日本語課外講座 名門校に席をおくな!』のタイトルで1冊にまとめ世に出したのが11年前でした。
「席」は「籍」に直すべきもの、とわかるようタイトルのデザインを工夫したつもりでしたが、書店では誤って進学コーナーに置かれたこともあったそうです。
『実例集』はこの前著を改題し文庫化したものです。
一部を除いて、実際の原稿やゲラ(校正用の試し刷り)で目にした用例に、不幸にも誤りを見逃したまま世に出てしまったものも加えた、全部でほどの例文を掲げ、それについて解説する形をとっています。
本稿ではなるべく多くの問題を示すために、各問題文は単純化した作例としました。また問題自体、『実例集』で割愛した語や表現を基に作成しました。
ウォーミングアップからはじめましょう。まずは、こちらの例題から。
それぞれの文の誤りを見つけてみてください。
答えは……この画像の下にあります。
◆ 答えと解説 ◆
1 失言をした大臣を更送する
=更迭
2 言葉遺いがなっていない
=言葉遣い
3 連戦で選手たちは疲幣している
=疲弊
この3問は、いずれも字の形が似ていて間違えやすい、字形類似にあたります。
それでは、本題です。