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あと20年で氷が消滅!? 北極の温暖化が日本も直撃する理由

北極は、もう後戻りできない

北極域を研究する科学者たちが参加する「北極圏監視評価プログラム(AMAP)」は昨年4月、「北極は、これまでの北極ではなくなりつつある」と強い調子で警告する報告書「北極圏の雪、水、氷、永久凍土」を公表した。

報告書「北極圏の雪、水、氷、永久凍土」報告書「北極圏の雪、水、氷、永久凍土」

地球温暖化の進行で海氷が減少し、永久凍土も解けているのだ。

北極域の研究は、「待ったなし」の状況だ。日本でも、ここ10年ほど、中緯度の気候への影響や北極海の酸性化などに関する研究が進展している。2015年度には、国立極地研究所と海洋研究開発機構、北海道大学を中心とする文部科学省の「北極域研究推進プロジェクト(ArCS)」もスタートし、現在も継続中だ。

北極域の変化は日本にも影響する

北極の周辺は、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」でも、もっとも激しく温暖化が進むと予想されている。

2013年の第5次評価報告書によると、大気中の二酸化炭素がこのまま増え続けた場合、今世紀末までの100年で地球の平均気温は4度くらい上昇し、とくに北極を中心とする高緯度地域では、その2倍のペースで気温は上がる。

2011年以来となるAMAPの報告書では、この6年間の研究で新たに分かった3つのポイントを強調している。

夏の北極海では、2030年代後半には氷がなくなる可能性があること。氷河や氷床などの融解による海面上昇が、IPCCによる予測を上回りそうなこと。そして、北極域の変化が中緯度の天候、東南アジアのモンスーンにまで影響すること。

北極域の異変に、日本も無関係ではいられないのだ。