サンプルの8割から検出! 私たちはもう「プラごみ」を口にしている

海を汚したツケが返ってきた
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増殖は止まらない

プラスチックは、おもに石油を原料として作られる人工的な樹脂状の物質を指して広く使われる言葉だ。

冷蔵庫で使う食品の保存容器やスーパーのレジにある「レジ袋」、自動車の内装や電気製品の本体や部品、衣服の合成繊維、飲料を入れるペットボトル、医療用の薬剤容器などとして、大量に使われている。用途に応じてさまざまな種類があり、成型もしやすい。そして耐久性も高い。

この耐久性の高さが、いったんごみとして自然界に出てしまうと、いつまでも環境を汚し続ける原因になる。

プラスチックの大量生産は、1950年代に始まった。国ごとに統計の取り方が違うことや、生産から廃棄までの寿命がはっきりしないことなどが原因でプラスチックの総量についての確定的な数値はないが、米国のカリフォルニア大学、ジョージア大学などのグループが発表した2017年の論文によると、1950年から2015年までに生産されたプラスチックは83億トン。49億トンがごみとして埋め立てられたり、海などの自然界に出ていったりしたという。

 

使い終わったプラスチックは、焼却されたり埋められたり、リサイクルされたりしているが、きちんと処理されなかったプラスチックごみは、川などを経由して海に出る。

米国のジョージア大学、カリフォルニア大学などの研究グループの見積もりによると、2010年に海に面した世界の192ヵ国で生産されたプラスチックは2億7500万トンで、480万~1270万トンが海にごみとして流れ込んだ。

海のプラスチックごみを多く出した上位5か国は、多い順に中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム、スリランカ。アジア地域が主要な汚染源になっていることをうかがわせる結果だった。

ジャカルタのゴミインドネシア、ジャカルタの海岸

世界の海のいたるところに

最近になって注目を集めているのは、大きさが5ミリメートル以下になった「マイクロプラスチック」だ。

プラスチックは紫外線をあびると、もろくなって崩れやすくなる。とくに海岸に流れ着いたプラスチックごみは、太陽からの紫外線や熱に波の力、砂との摩擦も加わって、細かくなりやすい。

このほか、洗顔料などに含まれていた小さなプラスチック「マイクロビーズ」も、下水処理の目をくぐりぬけて海に達しているとみられている。

マイクロプラスチックは、小魚などのえさになる動物プランクトンと似たサイズだ。マイクロプラスチックを食べた小魚を大きな魚が食べ、それをアザラシなどの大きな動物が食べ……。マイクロプラスチックは、容易に食物連鎖に入り込む。