「理想の家」を建てるために「あと100万円あればできること」

建築家と考える家づくりの「夢と現実」
丹羽 修 プロフィール

あと100万円あればできること

予算については、打ち合わせの初期の段階でお聞きします。その金額を念頭に設計していくのですが、ただこの予算をどうとらえるかが悩みどころ。

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最初の見積もりが出るとき、たいてい10~20パーセントぐらいは予算オーバーします。夢がふくらむぶんだけ、どうしても金額もふくらんでしまうのです。

そこで恐縮しながら「ちょっと予算がオーバーしてしまったんですが」と見積もりを見せると、なかには「あ、それぐらいなら全然大丈夫ですよ」とあっさりおっしゃる建て主さんもいます。それも500万円くらいオーバーしても大丈夫という方もいて、かなり低めに見積もっていたんだなと思うことがあります。

 

かといって、みなさんが低めに言うとは限らず、ご提示いただいた数字が準備できるギリギリの金額という方もいます。その見極めがなかなか難しいのです。

できれば「2000万~2200万円くらいです」といったように少し幅をもたせて伝えてもらえると、建築家としては助かります。それが仮に100万円の幅しかなくても、できることはずいぶん変わるからです。

100万円あれば、たとえば家中の壁をビニールクロスから漆喰にできます。もしかしたら、それでお釣りがくるかもしれません。

打ち合わせのとき、ほとんどの建て主さんが1回は「宝くじが当たれば、もっといい家が建てられるのに」とおっしゃるんですね。けれど、2億円なんてなくてもいいんです。あと100万円あれば、ずっといい家になります。

少なめに予算設定する気持ちはよくわかるのですが、具体的に「実現できること」を考えるとき、100万円の差はとても大きいことをぜひ知っておいてほしいと思います。

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