京成線・千住大橋がいま高い評価を誇っているシンプルな理由

一見ブランドに欠けてみえるけれど…
池田 利道 プロフィール

必ずしもそうとは言えない

まちが若返る動きの中心部からの滲み出しは、アウターエリアを中心部により近い周辺部と、より遠い外周部に分けた結果からも読み取れる(図表1参照)。中心部の活力が順次周辺へと広がっていくさまは、経済のトリクルダウン論を思い出させる。

そうだとしたら、どの沿線でも中心部から離れるほど高齢化が高まってくのだろうか。結論を言えば、経済と同様、高齢化抑制効果のトリクルダウンも理屈どおりには進んでいない。

図表2に、各沿線の駅ごとの高齢化率の推移パターンを分類・整理した結果を示した。高齢化抑制効果の中心部からのトリクルダウンを最もよく表すのはDタイプだが、これにあてはまる例は総武線しかない。一番数が多いのは、沿線間で高齢化率に大きな差が見られないAタイプで、28路線中9路線を占める。図表2に注書きしたBAタイプ、CAタイプを含めると、広義のAタイプは、25路線中過半の13路線に及ぶ。

Aタイプが多いのも、Eタイプ以下の様々な形が存在するのも、まちが時の流れとともに変化し続けていることの証にほかならない。生き物が理屈どおりにならないのは経済と同じだ。

 

Aタイプが多いのは、長い歴史の中で作りあげられていった沿線文化の存在を裏づけている。図表3を見ると、杉並区を通る3本の鉄道のうち、中央線や西武新宿線の沿線と比べ井の頭線沿線は高齢化が進んでいることが分かる。また江戸川区では、京葉線<メトロ東西線<都営新宿線<総武線と、北に進むに従って高齢化率が高くなる。これらは、同じ区でも沿線によってまちの個性に差があることを示している。

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