あなたが提供する商品やサービスの価格は、スキルの高さやお客様の判断だけではなく、「希少性」によっても左右されています。
たとえば、いつも使用しているノートを外出先で買おうとするとします。ところが、ノートを安く売っている文房具店が、なかなか見つからない。
そんなとき、1軒のコンビニを発見してのぞいてみると、いつもは100円で買っているノートが、150円で売られていました。それでも、他にノートを購入できるお店がなかったら、150円でも買いますよね。そんなふうに希少性が高い状況ほど、商品の値段は高くなります。
これを、フリーランスにあてはめて考えてみましょう。
あるゲーム会社のアートディレクターが、いつも仕事を任せているフリーランスのイラストレーターに、ゲームのキャラクターデザインを1点4万円で依頼しようとしたとします。ところが、そのイラストレーターは仕事が立て込んでいて、依頼を断られてしまいました。
アートディレクターは、イラストレーターの知人にも声をかけて探し回っていましたが、依頼したいゲームのイラストを描けるスキルのある人はおらず、代わりとなる人がなかなか見つかりません。そんなとき、あるイラストレーターが「キャラクター1体につき5万円なら引き受けられる」と申し出ました。
アートディレクターは、「いつもは4万円で依頼しているけれど、お願いできる人が見つからないのなら、5万円でも依頼したい」と考えるでしょう。しかも、「今日、外注できる人を決めないと、もうプロジェクトの納期に間に合わない」となれば、5万円以上でも依頼したいと思う可能性が高くなります。
そんなふうに、希少価値が上がるほど、支払われる報酬は高くなっていきます。
さらにいえば、「フリーランスは、適正価格で仕事をしたら、負けだ」くらいに私は思っています。「適正価格=普通」なので、誰に頼んでもいいからです。