ここがヘンだよ、先生たちの「夏休み・休憩・時間外労働」

現場の声を聞いてみました
須貝 誠 プロフィール

そんな事情もあり、東京都では、午後4時を退勤時間としていた時代が長く続いていた。実質の休憩時間45分間を最後にあてていたのだ。

だが、これでは労働基準法違反である。東京都では、小学校教員の普段の休憩時間は、子どもが学校にいない午後3時45分から4時30分までとなった。8時15分勤務開始だから、退勤時間は4時45分だ。

退勤までの時間に「夕会」といって教職員の打ち合わせを入れる学校もある。もし、この打ち合わせの時間が延びたら勤務時間外の労働となるので、この時間の「調整」(時間外労働したとき、他の日の勤務時間を短くできる)が必要となる。

 

しかし「調整」には有効期限がある。原則として1週間以内だ。1週間以内に「調整」をとるのが難しい時には、4週間以内にとればいいとされる時もある。いずれにしても、期間内にとらなければ、自然消滅してしまう。

実際に、期間内にとるのは大変だ。たとえば、放課後、個人面談の予定があれば、「調整」をとることができない。もしか、無理にとろうとしたら、保護者に個人面談の予定を変えてもらわなくてはいけないことになる。ここまでして、「調整」をもらおうとする教師は、おそらく、いないだろう。

さらには、3時45分から4時30分までの休憩時間がなくなるときがある。この時間に「打ち合わせをしましょう」という先生もいることはよく聞く。本来、「違う時間にしましよう」と言っていいのだが、断りづらいときもあるだろう。

東京都の先生方に話を聞くと「この休憩時間のことを意識していない」あるいは「分かっていない」先生も多いのではないかということだった。だから、休憩時間に、会議などを入れてしまうこともあるのだ。

時間外労働への配慮が乏しい

最後に、先生方に「教師の休暇・休憩・勤務時間外労働」で「おかしいと思うこと」を聞くと、次のような声があった。

「勤務時間外の出勤に対して抵抗がないことです。たいていの管理職は、勤務時間外の出勤はあって当たり前と思っています」

「『昨日夜遅くまで地域の会合に出られていた方もいるので、今日は1時間早く退勤してください』といった配慮が、ほとんどありません」

たとえば、土曜日や日曜日などに授業参観をする学校がある。授業は午前中で終わることが、ほとんどだ。私が勤務し始めた平成2年あたりからしばらくは、校長から「今日は、もう退勤していいです」と、よく聞いた。しかし今の時代は、なかなかそうはならない。午前で授業が終わったとしても、「年休(あるいは先の「調整」)をとってであれば、帰っていいとなる。

また授業時数増加のため、振替休日をとらない学校もある。土曜日、日曜日に授業参観等を実施しても振替休日がないところがあるのは事実だ(そのかわり、夏休みを早めに始めるところもある。東京都の夏休みの日取りが多少、違うのはそのためだ)。

このように、現場の教師たちは、「休暇・休憩・勤務時間外労働」についておかしい、変だと思っていることがたくさんある。

むろん、子どもが学校にいる時間帯は臨機応変な対応が求められるし、原則どおりに休憩や休暇をとりたいというわけではない。しかし、そうでない時間帯・時期にはもっと融通がきかないかとは思う。

現場の教師たちはラクをしたくてこう主張するのではない。自分たちが健康で余裕を持って働くことが、ひいては子どもたちに良質な学校生活を送ってもらうことにつながると信じているからである。