ここがヘンだよ、先生たちの「夏休み・休憩・時間外労働」

現場の声を聞いてみました
須貝 誠 プロフィール

さらに調べて分かったのは、「学校では、1年間に働かなければいけない日数が決められている。2日間、学校を閉庁日にすると、その働かなくてはいけない日数が足りなくなる。勤務日数を確保するために、夏期休暇か年休を使ってもらうことになる」ということだった。

しかし、学校を閉庁日にするという話は、教育委員会が教師たちの意見を聞くこともなく決めたものだ。夏期休暇か年休を当てろというのはいかがなものか。これでは、一人ひとりの教師が自分たちの夏休みを取りづらくなる。

前回の記事<ただでさえ忙しい先生を、さらに苦しめる「5つのムダ」の正体>でも指摘したが、教師はそもそも忙しい。貴重な休暇が取りづらい状況は改善がなされるべきだと考える。

 

ちなみに、文部科学省・中央教育審議会の報告書には「普段の教員の勤務時間と夏期休業中では、『忙しさ』にはっきりとした差が出ている。普段、忙しい教員は、夏期休業の勤務時間を短くするという案がある」といったことが書かれている。
*教職員給与の在り方に関するワーキンググループにおける審議経過報告 第四章「教員の勤務時間の弾力化等」

夏期休業中の勤務時間を短縮することには私も賛成する。できれば、5日間しかない
夏期休暇を増やしてほしい。

私が教職についた初めの頃、夏休みは、学校の外で授業の準備ができた。以前は、「自宅研修」と言って、年休を使わなくても学校の外で研修ができたのだ。普段は、できないような体験(たとえば社会科の授業準備のため、職人さんの仕事を見たり聞いたりすること)も可能だったが、今は、年休か夏期休暇をとらなければできない。

臨時的任用教員などのように年休が少ない教師は、学校の外で授業の準備をしたくても外に出ることができず、無駄に学校の中で過ごさなければいけない時間も出てくる。教師の休暇に柔軟性がほしい。

とるにとれない教師の休憩

休暇はもちろん、休憩もまたとりづらい。

一般に公立校教員の所定労働時間は7時間45分だ。労働基準法で6時間を超えて8時間までの労働は、45分間の休息時間をとることが定められている。つまり、小学校の教師の勤務時間の中には、45分間の休憩がある。

また、労働基準法では、休憩時間は(1)労働時間の途中に設けること、(2)一斉に与えること、(3)自由に利用させることが、原則となっている。

東京都の小学校には、「昼休み」という時間がある。子どもにとっては、本当の休み時間だが、教師にとっては実質、休憩の時間にはならない。「昼休み」という名の指導時間だ。

Photo by iStock

たとえば、昼休みに子どもが遊んでいた場合、大けがをしたとする。休憩時間だからといって、放っておくことはできない。怪我をしないように工夫して遊ぼうなどと指導をすることもある。

また、給食の時間も「指導の時間」となっている。この時間に、子どもが熱を出したとする。やはり、放っておくことはできず、休憩時間とはならないのだ。