高齢化の進行ステージ別に分けてみたら見えてきた東京の「意外な形」

あなたの町の進行度は…?
池田 利道 プロフィール

東京一極集中の裏の顔

上述した高齢化を取り巻く5つの指標の全国平均値、東京50キロ圏平均値、東京23区平均値を図表2に整理した。

なるほど23区は、いずれの指標を見てもまだ余裕がある。一方、全国と東京圏を比較すると、人口増加率には明確な差がある。過去10年間にまでさかのぼると、その差はより大きくなる(全国=▲0.5%、東京圏=5.7%、23区=9.2%)。だが、他の指標にはそれほど大きな差が見られない。後述するように、東京圏には様々な高齢化ステージのまちが混在しているが、全体として見れば地方と変わりのない高齢化の悩みを抱えていることになる。

少子化の流れを変えない限り、高齢化は確実に進行していく。東京もこの大きなうねりを避けることができない。そのとき、人口が多く、それ故に高齢者の数も多い東京では、量が質を変え、問題が一層深刻化する恐れがある。東京一極集中が抱え込む裏の顔だ。

 

30代が増えるだけでは不十分

改めて30代人口の動向に着目してみよう。30代の人口が、2010年~2015年の5年間で大きく減ったのは、10年時点で30代だった団塊ジュニア世代が、15年には40代に移行したからである。そんな中で、30代が増えたまちが東京50キロ圏に8つある(次ページ、図表3参照)。このうち6つまでは23区が占める。残る2つは、茨城県のつくばみらい市と千葉県の印西市だ。

23区内の6つの区で30代が増えたのは、まちで活発な新陳代謝が進んでいる結果である。これに対して、つくばみらい市で30代が増えた理由は、2005年につくばエキスプレスが開通して駅ができ、かつて一面の農地だった場所が住宅地に生まれ変わったことの一点に尽きる。秋葉原まで40分と便利だし、価格も手ごろ。

そう、この話には既視感がある。いまや高齢化と人口減少のダブルパンチに悩む幸手市、北本市、久喜市、春日部市、蓮田市など埼玉県40キロ圏都市の30~40年前の姿とあまりにも似ているのだ。

関連記事