衰退する郊外エリアでも「都心勤務のファミリーが増加中」のワケ

千葉・検見川を歩いてわかった新事実
現代ビジネス編集部 プロフィール

高度成長期の団地に新たな動きが

実はこの動き、高度成長期の団地群でも起きている。

検見川浜駅の南にある団地型分譲マンション「ルックハイツ検見川浜」(1979年築)に、数か月前に移ってきたという20代の子連れママが言う。

「母親と一緒に暮らせる広さで手ごろな価格、というのが絶対条件でしたから、新居にはすごく満足してます。稲毛(イオン)マリンピアへの無料直通バスが団地内から出ていて、買い物も便利。団地の人口構成はだいたいシニア世代7割、子育てファミリー3割とシンプルなので、防犯などの面で安心感がありますよね」

JR検見川浜駅は四方を団地・マンション群に囲まれている。写真は「東建ニューハイツ検見川」(1979年築)
JR検見川浜駅の東側、高度成長期後に建てられた分譲マンション「検見川マリンタウン団地」(1987年築)。
JR検見川浜駅の北側、築年数以上に外観の老朽化が進んでいるものの一際目立つタワーマンション「セザール検見川浜」(2000年築、20階建て)

検見川浜駅の北にある団地型分譲マンション「若潮ハイツ」(5階建て13棟、500戸)では、周辺の例に漏れず高齢化により空室が増えていたが、昨年の夏、野村不動産や長谷工コーポレーションが音頭を取って、大型分譲マンション(14階建て、1009戸)への建て替えが決まった。少子高齢化のこのご時世に、500世帯以上の転入を見込んだ大プロジェクトとなる。

郊外型ヴィンテージマンションの成立要件

住民が高齢化した郊外型団地は衰退していくとの見方が多かったが、都心など勤務先への交通の便と子育て環境という両輪が備わった団地には、新たな展開が訪れようとしていることが明らかになってきた。ある層の人たちにとって、高齢者はいまや衰退の象徴ではなく、安心を保証してくれる存在なのだ。

そうであれば、長期的に価値を維持できるヴィンテージマンションの成立要件も変わっていくだろう。検見川エリアで起きている静かな変化は、郊外と呼ばれたエリアでこれから起きる大きな変化を先取りしているように思われる。