大阪の泉州・岸和田といえば、だんじり祭で有名。岸和田城の城下町でもある。ここに、ご当地こなもん「かしみん焼き」があると聞いてやってきた。南海本線岸和田駅を降りて、だんじりが通るという駅前商店街を横目に住宅街へと進む。途中、昔ながらの駄菓子屋さんがあり、学校帰りの子どもたちで賑わっていた。
1軒目の「鳥美」は「こんなところに?」と思うほど、周りの住宅に溶け込んでいた。古くから地元の人々に重宝されている鶏屋さんで、店内では鶏を使った鉄板料理が味わえる。
女将「いらっしゃい。『洋食焼 かしわ』いうんが、かしみん焼きやで」
かしみん焼きを目当てに来る人が多いのか、聞く前に教えてくれた。1枚450円。まずは鉄板に粉を溶いたタネを薄く広げる。その上にキャベツとネギ、鶏肉と白い挽肉らしきものをのせた。
大久保(以下大)「〝かしわ〟は鶏肉のことですね。その白いものは?」
女将「牛脂。このへんではこれをミンチと呼ぶのよ。かしわとミンチをあわせて〝かしみん焼き〟になるの」
生地をひっくり返して数分。ソースとマヨネーズを塗ったら完成だ。
大「作り方は広島のお好み焼きみたい。見ためはキャベツ焼きですね」
コテで切ってほおばる。生地がパリッと香ばしく、牛脂の効果で野菜が瑞々しく焼きあがっている。
大「かしわの存在感が凄い。コリコリとした食感で、噛むたびに旨みが出る。粉もんやけど野菜たっぷりで重たくなく、何枚でも食べれそう!」
岸和田でかしみん焼きを出している店は、ほとんどがここ鳥美から仕入れた鶏を使っているとか。鶏肉を変えると味も変わってしまうということだろう。