医者の私も受けたくない…!「つらい精密検査ランキング」

覆面ドクターのないしょ話 第28話
佐々木 次郎 プロフィール

絶対痛くて耐えられない検査とは!?

さて、ここからは、比較的ポピュラーに行われているその他の精密検査や処置が、本当に苦痛を伴うのか、3つに分類して検証していきたい。

①「つらそうだけど、やっぱりつらい検査」

読者の皆様、ここでクイズです。各種内視鏡検査のうち、医者自身が、「あれは受けたくないなぁ」と口を揃えて言うのは、どの内視鏡検査だと思いますか? それは……気管支鏡です。

気管支鏡とは口や鼻から挿入する内視鏡だが、胃の内視鏡と似て非なるもので、息をする気管や肺の精密検査に用いるものである。

読者の皆様、ごはんや水を飲み込んで気管にひっかかり、ひどくむせこんだ経験はありませんか? 気管支鏡とは、それほど敏感な部分に内視鏡を突っ込む検査なのだ。検査はスプレーの麻酔薬を噴霧しながら行うのだが、麻酔の効き目は今ひとつで、私が過去に見た患者さんは、予想通り全員咳込んで大変つらそうだった。医者仲間たちは誰もがこう言う。

「自分が気管支鏡検査を受けるのなら、絶対全身麻酔にしてもらう」

やはり気管支鏡はつらく苦しいのだ。

 

②「痛そうだけど、実はそれほど痛くない検査」

眼球注射(硝子体注射)

最近は「眼球注射」という表現はあまり使われないが、白目の部分から針を刺す「硝子体注射」が眼球注射のイメージにピッタリだ。加齢黄斑変性や糖尿病性網膜症などの疾患に対して行われる治療法である。

かなり痛そうな注射だが、私の個人的な感想を述べれば、たぶん眼球注射は予想外に痛くない。その理由はこうだ。

眼球の処置前には点眼麻酔をする。「目薬なんかで麻酔は効くの?」と疑問に思うが、実は驚くほど効き目は抜群だ! 私も自分自身の眼にこの点眼麻酔薬を滴下したところ、直接眼球を触って痛くもかゆくもなかった。たぶんこれなら、孫を眼に入れても痛くないはずだ。よって私は断言する。眼球注射は痛そうだけど、痛くない……はずだ(注射は未経験です)。

最初に眼球に注射された人の勇気は尊敬します

腰椎穿刺

腰椎穿刺とは、腰の脊髄の空間から脳脊髄液を採取する検査のことである。またこの空間に麻酔薬を注入すれば、下半身のみに麻酔を効かせることもできる。子どものときに、髄膜炎などの病気で入院し、腰椎穿刺の検査を受けた人は必ずと言っていいほどこう言う。

「マジ痛ってぇ検査だったけど、俺頑張ったんだぜ」

実は私自身も、大人になってから2回腰椎穿刺を経験している。痛くないと言えばうそだが、痛かったのは局所麻酔の注射の痛みだけだった。

腰椎穿刺を成功に導く鍵は「体位」だ。体を真横にして寝て、へそを見てエビみたいに腰を丸めて突き出す。これにより腰椎の隙間が開き、穿刺がしやすくなるのだ。

「エビみたいになってください」と説明されて、両手指でVサインをするお年寄りがいるが、「はさみは必要ないのよ」と看護師に言われてしまう。

腰椎穿刺が「マジ痛かった」と言う人は、おそらく子どものときに泣きじゃくりながら大人に押さえつけられて腰に注射をされたという恐怖体験がトラウマになっているのではないだろうか? これは私の実体験から断言できる。腰椎穿刺は「痛そうだけど、実はそれほど痛くない検査」だ。

③「痛いけど、大丈夫な検査」

前立腺生検

これは男性のみに行われ、前立腺腫瘍の確定診断に必要な生検(直接、生体組織を採取する検査)である。

検査の方法は、まず患者さんを膝屈曲・観音開き状態で寝かせ、超音波で会陰部にある前立腺の位置を確認する。前立腺を採取する位置を数か所決めたら、後は自動吹き矢発射装置みたいなもので「ブスッ!」と刺していく。ベッドの上で、あそこの近くを串刺しにされる姿はまるで拷問だ。泌尿器科の先生に質問したことがある。

「痛くないんですか?」
「痛くて絶対耐えられません!……だから全身麻酔でやってます」

そうなのだ! この検査は全身麻酔下で行われるのだ(腰椎麻酔=下半身麻酔、の場合もあります)。だから、痛いけど、安心してください! 痛くないようにやりますから。