トルコショックより大きな危機が、これから世界経済を襲う可能性

重要な局面変化に備えよ
唐鎌 大輔 プロフィール

トルコショックが示す「不都合な真実」

本稿執筆時点ではトルコショックを受けて新興国市場全般が敬遠されるという駄目押しムードが強まっており、新興国通貨が纏うムードは悲惨である。

 

もちろん、多様な新興国を一括りにすることに危うさはあろうが、現実問題として新興国通貨が手放される時は同時多発的に起きるものである。

世界的にソフトデータが悪化し始めている現状は、「相対的にリスクが高いと思われる市場から資金を引き揚げる」という局面の到来を示唆しているように思われる。その標的として、まずは信用リスクが相対的に高い新興国市場や社債市場が狙われているというのが実情ではないか。

新興国通貨(建ての資産)が冴えず、米国の社債市場ですらクレジットスプレッドがワイド化しているのは周知の通りである(以下図)。

昨年6月、デフォルト常連国のアルゼンチンが100年国債(投資不適格のシングルB格付け)で起債し、計画の3倍以上もの需要(30億ドル弱に対して90億ドル超)を集めたことが話題になったが、このようなことがまかり通ったのは「カネが余っていたから」以外の何物でもあるまい。

過去数年(特に2017年)で新興国へ流入した資金の規模は非常に大きく、FRBの政策運営が引き締めに傾斜する現状で逆流が発生するのはごく自然な話と言える。8月に入ってから金融市場を揺るがしているトルコショックもその一例だろう。ソフトデータの悪化が示唆する重要な局面変化の兆候は軽視できない。

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