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トルコショックより大きな危機が、これから世界経済を襲う可能性

重要な局面変化に備えよ

変調を示すデータが出現!

お盆休みの金融市場の話題はトルコショックに独占されていたが、依然、年初来からの最大のテーマが貿易戦争である状況が変わっていない。春先以降、「どうせブラフ(はったり)だろう」との観測が支配的であったが、事態は着々と不味い方向に傾斜している

 

少なくとも、米国による対中制裁関税はすでに実施のステージに踏み込んでおり、「もはやブラフとは言えない」という認識に切り替えるべき時に来ている。もちろん、市場参加者も貿易戦争の脅威は十分認識していると思われるが、株・為替・金利といった主要な資産市場での織り込みが進んでいるようには見えない。この点、確たる回答は正直なところわからないが、「不透明感が巨大過ぎるゆえに適切な織り込みが進んでいない」というのが筆者の認識である。

だが、経済指標に目をやれば感応度の高いソフトデータから織り込みが始まっている兆候はある

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経済統計は、データの性質によって「ハードデータ」と「ソフトデータ」に分かれる。ハードデータとは生産量や売上高、価格など実体経済活動の実数を集計したものであり、鉱工業生産や小売売上高、消費者物価指数などが代表的である。

言うまでもなくハードデータこそが実体経済活動を映じており、経済分析上はハードデータの示唆する客観的且つ具体的な情報が頼りになる。しかし、集計・加工に時間を要するため速報性はどうしても劣る。

これに対しソフトデータは調査機関が対象者に実施したアンケートなどに基づいて現状ないし先行きの景況感を示した結果が集計される。ハードデータに比べれば回答者の主観的な判断が混入するが、その分、速報性に優れるというメリットがある。今回の本欄では、変調が見られているソフトデータの近況を紹介してみたい。