豊洲市場に「杭打ち偽装」疑惑が浮上…施工業者が決意の告発!

小池知事が安全宣言したばかりなのに
週刊現代 プロフィール

所長の顔が青ざめた

先の熟練工が呟いたのは、杭打ち現場のGLが、本物のGLからずれているという疑惑だった。

詰め所の責任者たちは、はじめは『まさか』という感じで、GLをスケールで何度も計り直していました。すると、現場にマークしてあった『GL+1500』の位置が、『GL+1000』と取り違えられていたことがわかったのです。現場に衝撃が走り、熊谷組の現場所長は真っ青な顔で震えていました」(A氏)

単純に言えば、実際よりも地面を500mm高く見積もっていたのだ。

すると、地中に39m打ち込んだと思っていた杭は、500mm分「高止まり」して、実際には38・5mしか入っていない!

「高止まりなら、抜いて再施工」と言われていた業者たちは、「抜いて再施工するか、増し杭による補強をするしかないだろう」と思った。翌日、工事はストップされた。なおこの段階では、工法上、杭をさらに下に打ちこむことは不可能だ。

だが1週間後の7月8日、何事もなかったかのように、「正しいGL」のもとで、残り64本の杭打ちが開始された。500mmも「高止まり」してしまった48本の杭はどうなったのか? A氏が驚きの事実を証言する。

48本については、杭の頭を500mmカットしたんです。隠蔽工作としか思えませんでした

残り64本は正規に杭打ちされ、見た目は揃うが、同じ地盤のなかで、杭の長さが混在する状況がつくられた(下図を参照)。

A氏の証言をもとに作成

だが頭を削ったところで、問題は解決しない。

50cmの差のせいで、支持層に到達していない杭が残っている可能性がある。48本は、体力のない死に杭になっているはずです。駐車場で900台もの荷重がかかれば沈み、最悪の場合は、駐車場棟が倒壊する可能性もあります」(A氏)

当の施工業者たちはどう答えるか。トーヨーアサノと島田基礎工業は完全に取材拒否。熊谷組が本誌の取材に応じた。

—GLのマーキングがずれたのは事実か?
トーヨーアサノの担当者の引き継ぎミスで、高さを勘違いした。50cm高い状況ではあるが、もともと支持層に突き刺している施工をしているので、固い地盤に到達していることには変わりはない

—杭頭のカットは?
48本について、杭先端位置が500mm高かったため、社員が確認のうえ、発注者並びに関係各社と協議し、是正をしている

—支持層に到達していないという声もある。
ボーリングデータおよびそれぞれの杭の施工記録から、杭が支持層に到達していることを確認しています

—都への報告は?
〈軽微な変更〉としての変更届を出すということで、工事再開の了承をいただきました

 

A氏の証言とは食い違うが、「偽装」や「隠蔽」ではないと言う。都の担当者も、杭のカットは認めたが、「杭は支持層に届いているため、建物は安全ということで許可を出しています」と回答した。

だが、全体の4割以上もの杭を切り落とすことが「軽微な変更」で済まされるのか。安全宣言にはほど遠い状態で、豊洲市場は開場日の10月11日を迎えようとしている。

8月17日発売の週刊現代では、この問題についての専門家の意見などを含めさらに詳しく報じている。

「週刊現代」2018年9月1日号より

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