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豊洲市場に「杭打ち偽装」疑惑が浮上…施工業者が決意の告発!

小池知事が安全宣言したばかりなのに

告発者は「工事の遅れを気にしたんだろう」と言う。豊洲市場の開場を急いだツケは、意外なところに回されていた。市場の中心にオープンする建物が、「偽装」杭に支えられているというのだ。本日発売の週刊現代では、施工担当者の決意の告発が掲載されている。

「傾きマンションと同じ」

豊洲市場の開場まで残り2ヵ月。7月31日、「安全、安心な市場として開場する条件を整えることができた」と、小池百合子都知事は「安全宣言」を行った。だが、豊洲市場に、土壌汚染どころではない疑惑が浮上した。

私が施工に携わった豊洲市場の建設現場では、悪質な杭打ち偽装が行われていました。途中でミスが発覚したにもかかわらず、隠蔽工作を行ったまま工事は強行されたのです。支持層(建物を支える固い地盤)に達していない杭が残っている可能性が高く、建物が沈み込みかねません

こう告発するのは、'15年6月に豊洲市場7街区(水産卸売場)通勤駐車場棟の施工を担当した業者の一人、A氏である。

杭打ち偽装—今から3年近く前、横浜のマンション「パークシティLaLa横浜」が、杭の施工不良で、文字通り「傾いた」大事件は記憶に新しい。施工データの改ざんだけでなく、杭473本のうち8本が、必要な深さまで打たれておらず、現在マンションの建て替えが進んでいる。

小池百合子都知事は豊洲市場の「安全宣言」を行ったばかり、だが…… photo by GettyImages

「横浜のマンションの件と同じことが起こった」と言うA氏が施工した駐車場は、990台収容の5階建て。正門からほど近く、市場中心に位置する。この駐車場棟の建設基礎工事で、杭打ちが開始されたのは、'15年6月10日のことだった。

施工業者は、この工事を36・5億円で東京都から落札した熊谷組JV、その1次下請け業者・トーヨーアサノ、2次下請け業者・島田基礎工業である。合計114本の杭を、建設予定地に打ち込み、駐車場を支える。

豊洲市場で、この7街区の沖積層下は、隣接する5街区の台地から、6街区の谷底へと移り変わる部分にあり、地層が非常に複雑である。都が建設前に行った地質調査の報告書も「地表の地形も沖積層下の埋没地形も、やや複雑となっている点が特徴的」と記している。

ボーリング調査のデータをもとに、概ね地下40mの位置にある支持層に向かって、112本の39m杭、2本の40m杭を打っていくことになった。

 

この工事で施工業者たちは、杭打ち前に厳重な注意を受けていたという。

高止まり(杭が設計の位置より下に入らず、高くなること)は許さず、その場合は抜いて再施工するよう指示がありました。杭がわずかに高くても、支持層に到達しない可能性があったからです。逆に、低止まり(杭が予定より奥に入ること)は50mmまでが許容だと言われました」(A氏)

6月10日から順々に打ち込まれていった杭が、合計48本に達したのが、6月30日のことだった。4割の工程を終え、工事は順調に進んでいたように見えたが、業者のあいだでは、杭が支持層に届いていないという声が上がっていたという。

杭打ちでは、通常なら支持層に杭があたると、急に打っている杭の動きが止まったり、先端から硬いものにぶつかった衝撃音が出たりするのに、それがない。杭の先端を支える球根部分が、支持層に入るかどうかというレベルだった」(A氏)

暑い日だった。この日の休憩時間。

GLがずれてるんじゃないか?

熟練工たちが呟いたひと言で、現場詰め所は騒然となった。A氏らの疑念が裏付けられたからだ。

GLとはグランドラインのこと。地面の高低差のある工事現場一帯で、建築物の高さを決めるための基準点だ。ある一点をGLと決め、そこから3m高ければ

「GL+3000(mm)」などと表記される。

GLは、杭打ちでの絶対的な基準になるものです。この位置を見ながら、杭を打っていくのです。これが1mmでもずれれば高さが食い違うため、工事が不可能です。今回も、現場詰め所と、杭打ち現場2ヵ所にGLがマークされました」(A氏)