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24歳女性に「ダメ保険」を売りつけた悪質営業マンの騙し手口

「保険で儲かる」を信じてはいけない

「保険で貯蓄」がいま大人気

保険でありながら、資産運用もできると謳う「貯蓄性保険」が売れています。

貯蓄性保険の代表的商品である「終身保険(定期付き終身保険・利率変動型も含む)」「養老保険」「変額保険」「こども保険」の平成28年度の保有契約件数は、7648万件に上ります(生命保険の動向H27年度版 生命保険協会より)。iDeCoの加入者が91.5万人(平成30年5月)ですから、ものすごい数です。

また、上記4種の保有契約高は、平成28年現在で414兆円。「一般NISA」と「つみたてNISA」を合わせた口座数は、1167万9355口座(平成30年3月末時点・金融庁)で、総買付額が約14兆円ですので、いかに保険が売れているかがおわかりいただけると思います。

 

さて、金融庁が、「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)に関する原則」を公表したのは2017年3月30日でした。これは金融事業者に対して、「顧客本位で資産形成を考えること」を徹底させるものですが、いまだ保険販売においては残念な状況が続いています。

特に前述した「貯蓄性保険」をめぐっては、顧客の家計やライフプランを無視した乱暴な販売が横行しているのが実態です。いったいなにが問題なのか、そもそも「保険で貯蓄」は資産運用として正解なのか。以下、事例をもとに考えてみたいと思います。

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営業マンは元バイトの先輩

大学院生の西川陽菜子さん(24歳)は、かつてのバイト仲間で、外資系生命保険会社に就職した先輩に、2つの貯蓄性保険(いずれも円建ての変額保険)を勧められて加入しました。

「こんないい保険を買わないなんてむしろバカ」というような稚拙なセールストークだったにもかかわらず、なんとなくその場の雰囲気に流されて加入してしまったと言います。

私の手元に彼女から預かった2枚の保険証券のコピーがありますが、いずれも、独身で学生である24歳の陽菜子さんは不要な商品であることは間違いありません。傷が大きくならないうちにすぐさま考え直したほうが良いと伝えました。しかし、彼女には、過ぎし日にバイトを共にした先輩との「人間関係」があり、私の「まったく不要である」というジャッジに、幾らか抵抗があるようでした。