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いよいよ、この国で「本格的な給料アップ」が始まる予兆

最低賃金1000円にあと一歩...

人手不足背景に伸び続く

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、東京の最低賃金が1000円を超えることが確実になった。

厚生労働省の中央最低賃金審議会は7月24日、2018年度の最低賃金の目安を決めた。全国平均で時給を26円引き上げ874円にするほか、東京都は27円引き上げて985円とした。

今後、各都道府県の審議会が、地域別の最低賃金を正式に決め、10月をめどに改定後の最低賃金が適用される。

安倍晋三内閣は中期的な目標として「最低賃金1000円」を掲げている。2016年6月に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」では、最低賃金の「年3%程度の引き上げ」を盛り込んでおり、それ以降、全国平均の引き上げ率は3年連続で3%を超えた。このままのペースが続けば、2023年には全国平均で1000円を超す。

それよりひと足早く、東京都の最低賃金は来年2019年には1000円台に乗せることが確実な情勢となった。来年も同率の引き上げが行われれば、最低賃金は1012円となる。神奈川県も今年度の最低賃金は983円になる見込みで、来年は1000円を突破することが確実だ。

 

東京の都心部を中心に深刻な人手不足が続いており、学生アルバイトの時間給はすでに1000円を超えているケースが多い。外食チェーンなどでは時給1000円未満での募集は姿を消しつつある。

今後、オリンピックに向けてホテルや飲食店などのオープンが相次げば、さらに人手不足は深刻化する見込みで、パートやアルバイトを中心に時給の上昇はさらに続きそうだ。

時給の上昇は地方にも波及している。訪日外国人は日本政府観光局(JNTO)の推計によると、1~6月ですでに1589万人に達し、2018年は3000万人を超えるのが確実な情勢。アジア諸国からの観光客を中心にリピーターが増えているため、地方都市や地方の観光地に足を延ばす外国人が多くなっている。

このため、地方中核都市はインバウンド観光客を狙ったホテルの新築などが相次いでおり、ここでも人手不足が常態化している。有名観光地の旅館などでも人手が足らないため、時給はジリジリと上昇している。

全国の都道府県の審議会が、国の方針に異を唱えずに最低賃金引き上げに動いている背景には、こうした人手不足と賃金上昇の流れがある。

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