リーマン危機から10年、日本企業「株価上昇率」ランキング500

3位はセリア、2位はジンズ、1位は…
井上 哲男 プロフィール

この10年で大きく株価を上昇させたのは、「仕組みの転換」に成功した企業です。

たとえば不動産業界は、リーマン・ショック以降、かなりの淘汰が起こりました。あの大不況を生き残ったのは、土地を安く手に入れて、そこに建物を建てて売るという従来のビジネスから転換できた会社だけ。

その後、13年にはアベノミクスが始まり、地価は上昇。構造転換できた銘柄は一挙に株価を押し上げました。

大規模商業施設の建設を事前に察知して、それに見合う更地を提供する日本商業開発(11位)をはじめ、リートによる資金調達を熱心に進めてきた銘柄も上位にランクインしています。

日本商業開発はリーマン・ショック以前には、有価証券に「継続企業の前提に関する注記」が盛り込まれるほどに低迷した企業だったのが、構造転換に成功して劇的に復活したわけです。

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これからの日本経済を牽引する企業ばかりがズラリ!

以下、ランキングに入った注目銘柄を見ていきましょう。

じつにおもしろく、魅力的な会社がこの「失われた10年」で台頭してきたのかがよくわかります。

寿スピリッツ(15位)は日本各地の名産のスイーツを次々に打ち出すお菓子の総合プロデュース企業。鳥取に本社があります。

アークランドサービスホールディングス(21位)は新潟のホームセンターが本業だったのが、外食産業に進出。「とんかつの吉野家」を目指すとしてとんかつチェーン『かつや』の展開を始め、現在、爆発的に店舗数が増えています。次のターゲットは唐揚げと聞いています。

リログループ(22位)は一流企業の社員の海外赴任時に、その自宅を貸し出す不動産事業を展開。良質な借り手を探してくるシステムを持っています。

自前の物流システムをフル稼働させて需要を伸ばしているのがエスプール(38位)。丁寧に包装して、宅配できる仕組みが評価されています。同社は人材サービスの評価も高いのですが、特に障がい者雇用の仕組みを作ったことで注目されています。千葉の農場で障がい者の働き場を提供し、自社の社員食堂でその農作物を利用しています。

 

リーマン後、日本では「失われた10年」と暗い話ばかりがなされてきましたが、じつは不況を乗り越えて、多くの素晴らしい企業が誕生し、成長してきたのです。

ランキング上位の企業は、これからの日本経済を牽引する潜在力を持っています。日本経済にどんなワクワクしたことを巻き起こしてくれるかが楽しみな企業ばかりといえるでしょう。