リーマン危機から10年、日本企業「株価上昇率」ランキング500

3位はセリア、2位はジンズ、1位は…
井上 哲男 プロフィール

その勢いはご存じの通りで、今夏にはカルビーCEO(最高経営責任者)だった松本晃氏がRIZAPに電撃移籍したことが話題になったばかりです。

RIZAPグループは現在、札幌証券取引所に上場していますが、東証1部を目指す方針であることが報じられており、なおさら注目度が高まりそうです。

 

セリア、ジンズ、ZOZO…伸びた企業の共通点

続けて2位は100円ショップ大手のセリア、3位は「眼鏡業界のユニクロ」と称されるジンズです。

セリアとジンズは、ともにリーマン後に深刻化してきたデフレ経済にうまく適応して成長してきた企業といえるでしょう。

4位は人材紹介のジェイエイシーリクルートメント、5位はカラオケボックスのコシダカHD。トップランキング上位からは、小売り系、サービス系の会社がこの10年で株価を伸ばしていることが見て取れます。

ただ、人によっては奇妙な結果に見えるかもしれません。リーマン・ショック以降、特に2013年からは日本銀行による大規模な金融緩和が行われ、通貨・円の価値は下落。日本では輸出主体の製造業の国際競争力を高める政策が打ち出されているにもかかわらず、ランキングの上位に入っているのが小売り、サービスなど内需企業だからです。

これは端的に言って、この10年で日本が内需型の社会構造への転換が加速した結果といえるでしょう。かつて製造業・モノづくりが日本経済を牽引していた時代から、日本はもう内需型経済に移行しているということです。

また、このランキングは日本企業がこの10年間で「何を」やってきたのかを物語っています。

日本では少子高齢化が進み、人口減少の中で企業が利潤を上げるための合理化が進んできました。そんな合理化を加速させるために最も使われているツールが、言うまでもなくIT技術です。

そうした中、いまや小売業ではイーコマース(EC)企業が席巻。EC企業はさらにITテック企業へと変貌を遂げようとしています

顕著な例が、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥディ(19位)。彼らは身体のサイズを計測するゾゾスーツを無料配布し、人々の洋服のサイズのビッグデータを収集して、さらにITやAIを駆使したサービスを展開しようとしています。

ZOZOを率いる前澤友作社長

また、法改正や「働き方改革」といった流れのなか、企業における業務のアウトソーシングも加速しました。IoT、AIなどエンジニアの人材サービスのトラスト・テック(23位)や、海外の政府系業務受託により日本の景気変動の影響を受けない戦略を打ち出したアウトソーシング(29位)など、多くの人材サービス業が業績を伸ばしました。

また人口減少下で需要が盛り上げたのが医薬品の分野。特に政府の支援下でバイオベンチャーがこの10年で急激に台頭してきました。特に、株価が伸びたのがそーせいグループ(18位)です。