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美味しいシングルモルトのチェイサーにはシャンパンを

タリスカー・ゴールデンアワー第17回(後編)

ボブ: ところで、中野先生は普段、バーに行って飲んだりもするんですか?

中野: あまり飲み歩くことはしませんが、行くとすれば、新宿の「ル・パラン」というバーです。タリスカーはもちろん、いろいろなウィスキーも試させていただくのですが、あるとき冗談で「チェイサーはシャンパンで」と言ったら、本当にシャンパンが出てきました(笑)。

シマジ: それは酒豪であり、女傑だからでしょう。でもあそこのバーは、まさにブロマンスの世界ですよね。

中野: はい、いつ行ってもカウンターに座っているのは真夏でも三つ揃えのスーツを着ているような男性ばかりです。

シマジ: そうだ。ちょっと前の話になりますが、ドイツ人の有名なバーマンでチャールズ・シューマンという人がいまして、彼がわたしのバーに遊びにきたときに、ついでに、「ル・パラン」に案内したんですね。

そしたら、あの本多バーマンが緊張しちゃって、カチンカチンに固まってしまったんですよ。まあ、シューマンは世界中のバーマンが神と崇める人だから無理もないんですけどね。

中野: へえ~、あの本多くんがそんなに緊張していたんですか。ちょっとかわいいですね(笑)。

シマジ: あんな状態になった本多をいままでみたことがなかったので、わたしも驚きましたよ。でも嬉しいことに、本多が「シューマンとシマジさんは同じ臭いがしますね」と言ってくれました。

ボブ: さて、今日は中野先生のために特別なボトルを用意しました。

立木: シマジ、おれはこの後も仕事が詰まっているから、これで帰るよ。そのボトルを味見したいところだけど、仕方ない。じゃあ、またな。

一同: ありがとうございました。

ボブ: 今回はダルウィニー15年です。中野先生、どうぞ。これはレモンチーズケーキのような風味があるウイスキーです。

中野: 美味しい! パンチはあるけど飲みやすいですね。素晴らしい、としか言いようがない味です。あの、気持ちよく酔ったついでに本の宣伝をしてもいいですか。

ヒノ: どうぞ、どうぞ。

中野: 今月28日発売なのですが、働く女性のための『服を味方にすれば仕事はうまくいく』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本を監修しました。もともとは20年前にアメリカで書かれたもので、日本でも2005年に翻訳が出ているんですが、ちょうどいまの日本にも当てはまることが多くて、新装出版となりました。

女性活躍推進法に後押しされて、これから女性の管理職がどんどん増えて、部下と同じにみえない女性重役のためのビジネススタイルが脚光を浴びるようになると思うんです。そしてこの本には、じつはカジュアルデーやオフのときの服装こそ、仕事をしていくうえでも大事なんだと書かれています。

シマジ: それは男性にも同じことが言えますね。カジュアルのときこそお洒落の真価が問われるんじゃないでしょうか。中野さん、今日は猛暑のなか、本当にありがとうございました。

中野: こちらこそ。こんなに美味しいウイスキーをいただけるなんて、夢のような時間でした。ありがとうございました。

〈了〉

中野香織(なかの・かおり)
エッセイスト/服飾史家。東京大学在学中(19歳)に旅行ライターとして文筆業デビュー。東京大学大学院博士課程単位取得満期退学。同大学非常勤講師、ケンブリッジ大学客員研究員を経て、服飾史家として独立。2008年~2017年まで明治大学国際日本学部特任教授。2018年、株式会社Kaori Nakanoを設立。研究・執筆・講演活動をおこなうほか企業の顧問を務める。『紳士の名品50』(小学館)、『モードとエロスと資本』(集英社)ほか著書多数。日本経済新聞・読売新聞はじめ多くの媒体で連載中。http://www.kaori-nakano.com/
島地勝彦(しまじ・かつひこ)
1941年、東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。柴田錬三郎、今東光、開高健などの人生相談を担当し、週刊プレイボーイを100万部雑誌に育て上げた名物編集長として知られる。現在はコラムニスト兼バーマンとして活躍中。 『甘い生活』『乗り移り人生相談』『知る悲しみ』(いずれも講談社)、『バーカウンターは人生の勉強机である』『蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負』(CCCメディアハウス)、『お洒落極道』(小学館)など著書多数。
ロバート・ストックウェル(通称ボブ)
MHDシングルモルト アンバサダー/ウイスキー文化研究所認定ウィスキーエキスパート。約10年間にわたりディアジオ社、グレンモーレンジィ社、他社にて、醸造から蒸留、熟成、比較テイスティングなど、シングルモルトの製法の全てを取得したスペシャリスト。4ヵ所のモルトウイスキー蒸留所で働いた経験を活かし、日本全国でシングルモルトの魅力を面白く、分かりやすく解説するセミナーを実施して活躍しています。