# ZOZOTOWN # アパレル # ユニクロ

ユニクロ柳井とZOZO前澤が頼る、知られざる「黒子企業」の正体

アパレル業界、真のイノベーション企業
遠藤 功 プロフィール

「世界初」にこだわり続ける

近年は、編み機だけでなく、トータルファッションシステムにも力を入れている。CAD/CAMシステムを活用したデザインやバーチャルサンプル、生産システムのオートメーション化、IoTによるマスカスタマイゼーション(個別大量生産)など、メカトロニクスにコンピューター技術を融合させることによって、機械単品ではなくトータルシステムを提供することを狙っている。

 

ビジネスドメインは広がっても、島精機製作所の原点は変わることはない。それは「世界初」を生み出し続けることだ。「世界初」とは「オンリーワン」に他ならない。

島会長は24歳で創業した時から「世界一になる」と公言してきた。周囲からは「大きなことを言うのもほどほどに」と言われたが、「世界一」「世界初」を目指してきたからこそ、今の島精機製作所はある。イノベーションの源とは、志の高さなのである。

photo by iStock

「めんどくさいことほど自社でやる」主義

そんな「世界初」を実現するために欠かせないのが現場力である。島精機製作所は「世界初」「オンリーワン」を実現するための圧倒的な独自技術と現場力を磨いてきた。

基幹部品は徹底的に内製にこだわる。機械に使われる部品の75%は自社で内製している。

数十台ものマシニングセンターを抱え、ナノ単位の精密部材加工を行い、卓越した生産技術力を確立している。図面を外に出すことがなく、きわめて高いレベルの内製化によって、ブラックボックス化を実現している。

島会長は「めんどくさいことこそ自社でやる」と断言する。その象徴的なものが、編み針だ。WGでは4000本以上の編み針が3本の糸を立体的に編み上げていく。スライドニードルというこの編み針こそがWGの心臓部であり、他社では真似のできない独自技術である。

機械のドンガラや機構は簡単に真似ができる。しかし、機械の性能や耐久性、品質は、ひとつ一つの部品の性能や耐久性、品質によって歴然とした差が出る。

こうした特殊部品の加工を外注すれば、コストはべらぼうに高くなる。内製化によってノウハウの流出を防ぐとともに、創意工夫によって製造原価を圧縮することが可能となる。