# アパレル # ZOZOTOWN # ユニクロ

ユニクロ柳井とZOZO前澤が頼る、知られざる「黒子企業」の正体

アパレル業界、真のイノベーション企業
遠藤 功 プロフィール

営業利益率20%以上の超高収益モノづくり企業

WGの販売台数は2014年度の397台から、2017年度には1081台へと2.5倍伸長した。過去最高の販売台数である。

 

販売の好調さにともない、業績も絶好調だ。

2017年度の売上高は718億円。営業利益は149億円と、20%以上の営業利益率を誇る。

島精機製作所はWGの設計から生産までのすべてを、和歌山市内の自社で完結させている。日本のモノづくり企業の多くがローコストを求めて海外シフトを加速させる中で、同社は一度も生産拠点を動かしたことはない

どうすれば日本にモノづくりを残すことができるのか。島精機製作所はひとつの答えを示している。

photo by iStock

すべては「手袋」から始まった

創業は1962年(昭和37年)。「日本のエジソン」と称される現会長の島正博氏が、24歳の時に会社を興した。

当初取り組んだのは、手袋編み機。既存の機械で作られる手袋(軍手)は指先に塊ができてしまい、使っている人の指先の感覚が鈍った。そのせいで機械に巻き込まれて、指を失うという事故が多発していた。

島会長はこの問題を解決するために、創意工夫を凝らし、指先の感覚が鈍らないよう丸く編み上げる手袋編み機を考案した。手首にはゴムを入れて編み込むことによって、手首に向かって網目を減らす工程を省くと同時に、手袋の着脱も容易になった。機能性を高め、事故を減らすとともに、コスト削減も実現する画期的な機械だった。

しかし、手袋だけでは市場が小さい。そこで、次にターゲットにしたのが、ニットの編み機だった。一番難しいとされていた衿の自動編みに挑戦した。

業界内では、「ムリだろう…」と囁かれていた。しかし、様々な困難を克服し、1967年に「全自動衿編み機」の開発に成功した。1台に30以上の特許が詰め込まれた「世界初」の発明だった。

そして、その後にチャレンジしたのがWGである。そこでも次々に「世界初」を生み出し、新たなチャレンジを続けている。

たとえば、宇宙飛行士が宇宙船で快適に過ごすための宇宙船内服にもWGの技術が採用されている。微小重力環境でも身体を圧迫することなく、自然な動作をするには、縫い目や縫い代のない衣服にする必要がある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が中心となって進めている研究に同社も参加した。