『PRODUCE 48』で露呈した、日韓アイドルの決定的な違い

同調のみでは突出した才能は生まれない
松谷 創一郎 プロフィール

日本勢の得票数が多かった理由

そして、この番組で注目され続けていた宮脇咲良も、グループバトルで大きく成長したひとりだ。

「Very Very Very」(I.O.I)の第2組となった宮脇は、本番2日前にセンターにポジション変更をし、その翌日のリハーサルでトレーナーのソユ(元SISTAR)から強くダメ出しをされる。

「なぜ咲良がセンターなの? 咲良によってぜんぶ台無しになってる。(歌詞の)発音は悪いし、ダンスも変(略)なんで出来が悪いひとをセンターにしたの?」

宮脇はそれを聞いてまたもやぽろぽろと涙を流す。この番組で彼女は泣いてばかりだ。

第2組はセンターポジションをだれにするかで迷走し、結局負けてしまう。ただ宮脇は本番をしっかりと乗り切り、両グループで最高の164票を獲得。ひたむきな努力が無駄ではないことを証明した。

さて、こうして16組がパフォーマンスを見せたグループバトルについて、ひとつ付記しなければならないことがある。

観客投票において、48グループの得票数が有意に多かったことだ。ひとりあたりの平均では、日本勢が85.3票だったのに対し、韓国勢は59.1票と明確な差があった。

それは、ステージ上のパフォーマンスの質を考えると、首をかしげる数字でもある。実際、日本勢が多数を占めるグループが意外な勝利を見せたこともあり、韓国では議論にもなった。

この理由はふたつ考えられる。

ひとつは、会場に韓国の48グループのファンが多く詰めかけたことだ。実際、日本勢のネームプレートを持ったファンがけっこう目立っていた。逆に韓国勢は、そのほとんどがデビューしていない無名の存在だ。

そうなると、認知度ではやはり48グループのメンバーは有利となる。つまり、そもそも下駄を履いていた。

もうひとつは、48グループが本番に強かったことだ。はじめて多くの観客を前でパフォーマンスする韓国の練習生に対し、すでにステージに立っている日本勢は場慣れしている様子がうかがえた。

また、短いマイクアピールにおいてもファンに訴求する印象的なコメントを見せる者が目立った。このあたりは彼女たちの面目躍如といったところだろう。

こうしたことによって、48グループに多くの票が入る傾向が生じた可能性がある。

 

韓国勢の「逸材」

8つのグループバトルを終え、エピソード5で最初の順位発表がおこなわれた。ここで59位以下のメンバーは足切りされる。

デビュー圏内の12位までには、宮脇咲良(4位)、後藤萌咲(6位)、矢吹奈子(7位)、竹内美宥(11位)、本田仁美(12位)の5人が入った。順位を下げていった松井珠理奈は13位となり、このときも体調不良を理由に姿を見せず、後に降板することが正式発表された。

全体的には、58人中日本勢が22人(37.9%/松井珠理奈を含む)、韓国勢は36人(62.1%)となった。これは、最初の段階の比率(日本40.6%:韓国59.4%)と大きな差はない。そして59位以下の放出も発表された。そこには中野郁海(AKB48)や小田えりな(同)、松岡菜摘(HKT48)が含まれていた。

ここまで観てくると、韓国勢でも存在感のある参加者が印象に残るようになる。とくにトップ3に入ったイ・カウン、アン・ユジン、チャン・ウォニョンがそうだ。3人はこの後も安定して上位をキープしており、最終的にデビュー組に入る可能性はかなり高い。

なかでも14歳のチャン・ウォニョンは、まさに逸材と言っていいレベルだ。歌もラップもダンスもすべてのレベルが高く、しかも身長は168cmもありルックスもいい。K-POPでもここまで総合力が高いタイプはあまりいない。

そしてサバイバルは、いよいよここから激しくなる。

エピソード6からは、ボーカル&ラップとダンスのポジションに分かれて、個人評価のためのバトルが始まる。その結果によって27人が足切りされ、30人にまで絞られることとなる──。