『PRODUCE 48』で露呈した、日韓アイドルの決定的な違い

同調のみでは突出した才能は生まれない
松谷 創一郎 プロフィール

48グループメンバー「最初の難関」

練習生たちは、ランク別に合宿所で生活をともにする。携帯電話は没収され外部との連絡は遮断される。これらは、韓国芸能界では当然のように行われている手法だ。

トレーニングは、午前と午後に2コマずつ計4コマ。自主練習の時間も多いが、歌とダンスに毎日1コマずつ費やされる。

このトレーニングは、個々の技術を高めることはもちろんだが、最初のランクの見直しと、96人全員参加の発表曲のミュージックビデオ「Pick Me」の立ち位置を決めることも目的としている。

番組ではこのプロセスに1時間程度しか尺は割かれなかったが、48グループのメンバーにとって最初の難関となったのはこの合宿だ。

Fランクに位置づけられた17人の日本勢はもちろんのこと、Aランクの宮脇咲良もボロボロになりながら練習に打ち込んだ。

途中のインタビューで、彼女はぽろぽろ涙を流しながらこう話す。

「まだ1年しか練習生をやっていない子たちが上手くて、私はもうアイドルをやって7年も経つのに、どうしても体が動かなかったり……。全然実力がないと思うと、7年間なにをやってきたんだろうって……悔しいです」

 

データからも日韓の練習生にはもともと大きな違いがあることが読み取れる。

たとえば年齢は、日本勢は平均20歳ちょうど、韓国勢は18歳4ヵ月と、1歳半以上の差がある(6月の段階で生年のみから換算)。最年長は24歳の宮崎美穂(AKB48)、最年少は2004年生まれの韓国勢5人だ。

それよりも大きな開きがあるのは、練習生期間だ。日本勢は(デビュー以後も含めて)平均5年4ヵ月なのに対し、韓国勢は同1年11ヵ月。48グループのほうが3倍近くキャリアが長い。

最長は、これも宮崎美穂の10年8ヵ月、そして松井珠理奈(SKE48)が9年11ヵ月と続く。一方韓国勢は、57人中半分ほどの28人が1年以下だ(データはすべて公式HPより)。

48グループの面々はなどはこうした現実のなかで、はじめてまともな訓練を受ける。

FTISLANDのイ・ホンギは、基礎的な腹式呼吸や日本人特有の鼻音発声の矯正をFランクメンバーに教える。Aランクにいる宮脇咲良ですらひどく追い込まれながらも、ここから徐々に変化が見え始める。

期間は不明だがトレーニングを積んだ面々は、ひとりずつ「Pick Me」のパフォーマンスを自撮りし、それをもとにトレーナーたちはランクを変更した。

結果、宮脇咲良はAランクを維持し、高橋朱里(AKB48)と本田仁美(同)、矢吹奈子(HKT48)もAランクに入った。とくに矢吹はFランクから一気に駆け上がった。

その一方で、松井珠理奈はBランクに据え置かれた。また、Fランクから変動のなかった植村梓(NMB48)と梅山恋和(同)、月足天音(HKT48)の3人は、次のステップに進まずここでリタイアした。

そして公開された練習生全員による「Pick Me」のMVでは、センターポジションを宮脇咲良が務めることになった。これは、Bランク以下82人による投票で決められた。