8月30日 戦後初の国産旅客機YS-11が初飛行(1962年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

日本航空機製造が設計・製造した戦後初の国産旅客機YS-11の1号機が、1962年のこの日の午前7時21分に名古屋空港から飛び立ち、56分間の試験飛行に成功しました。

【写真】YS-11
  YS-11(1970年代、羽田) photo by gettyimages

プロペラのついたエンジンを両翼にひとつずつ搭載した、双発ターボプロップエンジン方式で、航続距離は最長で約2000キロメートル。近・中距離用の旅客機として利用され、1973年までに180機以上が製造されました。

ターボプロップ・エンジンとはガスタービン・エンジンの一種で、空気取入口(エア・インテイク)・圧縮機・燃焼室・タービン・排気口で構成されています。

燃焼室で燃料が、圧縮機で圧縮された空気に接して燃焼することで、高温高圧ガスの膨張エネルギーが発生します。エネルギーは、タービンを高速で回転させ、タービン軸によって圧縮機を駆動するとともに、減速機を介してプロペラへと伝えられて推進します。さらに、タービンを通過したあとの燃焼ガスは、さらに膨張して、排気口から噴出する際に反動を生じ、その反動による推進力も推力の一部となります。

【図】ターボプロップエンジンのしくみ
  ターボプロップエンジンのしくみ

製造した日本航空機製造は、東京大学に設置された「輸送機会設計協会」の流れを汲んだ官民共同の特殊法人で、新三菱重工業(現・三菱重工業)、川崎航空機(現・川崎重工業航空宇宙カンパニー)、富士重工業、新明和工業(戦前の川西飛行機)など、戦前の航空機工業を担ったメーカー、技術者が参加していました。

YS-11の製造終了ののち、日本ではながらく旅客機が作られることはありませんでしたが、2015年に約40年ぶりとなる国産旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」が試験飛行に成功、2016年には大西洋横断も果たしています。日本の飛行機が世界の空を飛びまわる姿を想像すると胸が躍りますね。

【写真】MRJ
  MRJ photo by gettyimages

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