子どもに「プラスチック入り」の魚を食べさせて問題はないのか

いま世界が悩む課題
週刊現代 プロフィール

イワシやシシャモ、そしてワタ(内臓)も一緒に食べることがあるサンマ。そして、アサリやハマグリのような貝類。食卓でお馴染みの魚介に高いリスクがあるということだ。もちろん、〝危ない魚〟はそれだけではない。

「海面に浮いているプラスチックは、ポリエチレンやポリプロピレンなど、種類が決まっています。

しかし、実は海底に沈んでいるもののほうが、添加剤などが入っていたりするんです。特にポリ塩化ビニルなどは添加剤の塊です。

海底に沈んでいるものの中には、いまは使用が禁止されている毒性の高い物質が眠っていることもある。これを『レガシー汚染』と言います。そういった意味では、底生の魚のほうが、マイクロプラスチックの影響は大きいと考えられます」(前出・高田氏)

 

東京の魚の8割から検出

底生魚といえば、ヒラメ、カレイ、アンコウ、タチウオなどが挙げられる。海で漂流しているプラスチックのうち、海面に浮かんでいるのは全体の1%。海岸に漂着しているものは全体の5%程度と言われている。残り90%以上は海底に沈んでいるのだ。

'15年にアイルランド国立大学の研究グループが陸地から約1200km離れた海洋で、深海魚のプラスチック汚染の調査を行った。

すると、魚の体内からのマイクロプラスチックの検出率は、深海魚のほうが、1割以上高かった。1匹の体内から13個のマイクロプラスチックが発見されたケースもあったという。

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マグロの代用魚として回転寿司などで使うと言われるアカマンボウや、白身フライに使用されるメルルーサなども深海魚だ。子どもが好きなメニューにも、リスクは潜んでいる。

さらに、これらの有害物質の恐ろしい点は、摂取した本人はなんともなくても、産まれてきた子どもに異常が見つかる例があること。

母親のマウスにビスフェノールAを一定期間、曝露させる実験で、母親には異常はなかったが、産まれてきた子どものマウスに過度な攻撃性など、脳神経系の異常に起因する行動が確認されたケースがある。

だからこそ、日々、排出されるプラスチックごみの蛇口を締めるため、政府や企業が躍起になっているわけだ。ただ、それらの取り組みはプラスチックの増加に歯止めをかけることはできても、減らせるわけではない。

ましてや、日本は「東京湾のカタクチイワシの8割からマイクロプラスチックが発見されたという調査結果がある」(前出・石原氏)という状態だ。

ここまで挙げたような魚介類にそうした危険性があるということは、理解しておくべきだろう。前出・高田氏が警告する。

「マイクロプラスチックが現状、人間にどのような影響を与えているかはまだ完全にはわかっていません。劇症型の症状が出ることはないかもしれませんが、知らず知らずの間に人体に影響が出ていた――という可能性は否定できないのです」

自分の子どもの健康を守れるのは、あなただけなのだ。

「週刊現代」2018年8月18日・25日合併号より