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子どもに「プラスチック入り」の魚を食べさせて問題はないのか

いま世界が悩む課題

肉より魚のほうが健康にいい――。そう思って食べている魚が、実はプラスチックまみれの可能性があることをご存じだろうか。あなたが知らない、汚染された海洋の現状をレポートする。

スタバがストロー廃止へ

「私が住むカリフォルニア州ロングビーチ市では、今年5月から発泡スチロール製品の使用が禁止されました。プラスチックによるビーチ汚染が進んでおり、自然には分解されず、動物たちが食べ物と間違えて食べてしまっているからです。

細かく砕かれたプラスチックである『マイクロプラスチック』というものがあります。これを魚は体内に取り込んでしまっている。

さらに海には『ゾー・プランクトン』という小さなエビのようなプランクトンがいるのですが、この体内からもマイクロプラスチックが発見されている。

魚は、マイクロプラスチックそのものも食べているし、細かなプラスチックを食べたプランクトンも食べている。我々はマイクロプラスチックというエサを、魚に与え続けているわけなのです」

そう話すのは『プラスチックスープの海』の著者で、「アルガリータ海洋調査財団」設立者のチャールズ・ムーア氏。

7月9日、米コーヒーチェーン大手・スターバックスがプラスチック製ストローの使用を止めると発表した。今秋に北米の店舗から段階的に進め、2020年に世界にある2万8000店以上のすべての店舗で廃止する予定だという。

理由が「プラスチックごみ」を減らすためと聞いて、多くの人は「そんなに大きな問題なの?」と疑問に感じたのではないか。しかし、いまプラスチックごみによる海洋汚染が世界中の関心事になっている。

「今年2月、台湾が使い捨てプラスチック製品(ストロー、コップ、レジ袋など)を段階的に規制し、2030年までに全面的に禁止する方針を打ち出しました。

4月には、イギリスが'19年からプラスチック製ストローやマドラーを禁止することを、6月にはインドが2022年までに使い捨てプラスチック製品を全廃すると発表しています。今年に入ってどんどん規制が進んでいるのです」(国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」の石原謙治氏)

 

政府だけではない。企業では、スタバ以外にも「IKEA」や「ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー」が使い捨てプラスチック製品を削減する方針を進めている。政府も企業も躍起になって、プラスチックごみの削減に取り組んでいる。

1950年以降、世界で83億tのプラスチックが製造され、そのうち63億tが廃棄されたと推計されている。それらは自然に還らず、そのまま残っている。現在も年間1200万tのプラスチックが海に流れ込んでいるという試算もある。

'16年にスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムでは「2050年には、世界の海を漂うプラスチックは重量換算で、魚の量を上回る」というデータまで発表されている。