イラスト/中川原 透

頭痛と熱中症、そして性別の「意外な関係」

間違いだらけの片頭痛③女性と頭痛

片頭痛と熱中症

私は40年近く、頭痛専門の外来で患者さんから頭痛に関する相談を受けてきました。最近、急激に増えていて、間違いなく私がこの1ヵ月間、外来で一番多く質問を受けたのは、次のようなものです。

「私は暑いとすぐフラフラしてきて、逆にエアコンが効いた室内に入ると、温度の差で片頭痛が起こりやすいです。熱中症と片頭痛は関係がありますか?」

特に女性は、「外の暑さによる体温上昇」と「室内のエアコンによる体の冷え」のギャップでリズムを崩しやすく、その影響で片頭痛を起こす人が少なくありません。

片頭痛に悩む人が熱中症になりやすいかどうかについては、医学的にはまだ確証がありません。ただ、片頭痛と熱中症の起こり方には類似点があります。

熱中症の症状といえば、①注意信号が立ちくらみ、めまい、気分のわるさ。②警戒信号がガンガンする頭痛。③危険信号が意識の薄れ、けいれん。この3段階に分かれています。

③の意識障害やけいれんは生命の危険信号ですのですぐ病院に行かなければなりませんし、②のガンガンする頭痛は重症になる前触れなので、頭痛がしたら安静が必須です。

熱中症が発生するメカニズムは、次のようなものです。

まず、脱水状態で血液がドロドロして血圧も低下し、脳、肝臓、腎臓といった重要な臓器の血流が減少します。

続いて、脳に必要な血流を維持するために、脳血管が最大限に拡張し、血管が周囲の神経を刺激してガンガンと頭痛を起こします。

これは脳が生き延びるための防御反応ですが、最悪の状態を回避するための警告信号でもあります。

片頭痛というのは脳の血管拡張で起こります。片頭痛のある人は、脳の血管拡張がもともと起こりやすい体質と言えるでしょう。したがって熱中症に対する警戒信号が発せられやすい、という見方は出来ます。

一方で、熱中症に片頭痛が合併すると急速に熱中症の病態が悪化する可能性が考えられますので、より十分な注意が必要でしょう。