このヤバい株式相場…それでも勝てる「知られざる投資手口」

2つの指標でわかった「最強32銘柄」
大川 智宏 プロフィール

経済危機への耐性が強い会社の見つけ方

それでは、この不安定な経済環境下で、日本株市場でどのように立ち回るのが吉か。

キーワードは2つ。「世界的な政治・経済の混乱」と、それにともなう「投資資金の逆流」の両者に対する耐性である。

 

まず前者については、世界的な混乱に抵抗しうる投資指標を用いた「クオリティ投資」が有効だ。財務や収益性の質が高い銘柄は、仮に世界が経済危機に陥っても株価が堅調に推移しやすい。

一般にクオリティ指標は、本業の安定感を測るEPS分散、自己資本の資産に対する割合を測る自己資本比率、有利子負債の割合を見る負債比率などがあるが、最大公約数的に安定性を発揮しうるのは「ネットキャッシュ・総資産比率(NCA)」である。

ネットキャッシュは、現金性資産(現預金+短期有価証券)から有利子負債の額を引いた数字だ。そして、それが資産全体のどの程度を占めるのかを見たものがNCAである。

つまり、有利子負債を差し引いても現金性資産が残存すれば正の値を取り、それが企業の事業規模を表す総資産に占める割合が大きければ、仮に経済危機に陥っても事業が継続可能と判断できる。

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実は、この企業の健全性を判断するクオリティ投資は、好況が始まった2013年以降も淡々とリターンを上げ続けている。ただし、現在の不安定な相場とは意味合いが異なり、好況下では設備・事業投資や株主還元への原資が豊富な企業を評価する指標としての側面が強い。少なくとも、現在までは好況、不況のどちらにも対応可能な都合の良い投資指標であった。

しかし、この万能に見えるクオリティ投資も、今後は無視できないリスクが発生しうる。単純に、過去数年間にわたってこの投資法は効きすぎたのだ。