頑張らない、自分の頭で考えないのが「真に生産性の高い働き方」だ

嫌な仕事もローカロリーでこなすコツ

新卒で入ったサイバーエージェントで、半年ものあいだ営業成績が圧倒的ビリだったところから一転……、新人賞や全社MVPを獲得し、起業したベンチャー企業を半年で70人に、3年で180人規模にまで育てたトライフォートCEO 大竹慎太郎氏の著書『起業3年目までの教科書』 の発売を記念して、大竹氏のかねてからの友人であるけんすう氏(古川健介氏・Supership取締役)との起業家対談・前編をお届けします。

(取材・文:編集集団WawW! Publishing乙丸益伸、岡田絢子)

頑張らない

大竹:僕はけんすう君のことを、「ノウハウの塊」「ライフハックの鬼」のように思っているんですけど(笑)、今日は僕の処女本である『起業3年目までの教科書』の発売記念対談ということで、けんすう君に仕事のコツのような話を聞きたいと思っています。

けんすう:ライフハックの鬼……。

大竹:ブログとか読んでいると、「なんてノウハウの塊なんだ!」とかって思うよ(笑)。それで、けんすう君が考える最強の仕事のコツといえば、それはなんでしょうか?

けんすう:最強……。最強かどうかはわからないですけど、それは頑張らないということかと思います。人生を通して、頑張らないをモットーに生きています。

大竹:頑張らない(笑)

(左:大竹慎太郎氏、右:けんすう氏)

けんすう:頑張らないっていうと誤解を招くんですけど、「俺は今頑張っている」って思っている時点でたぶん何かがおかしいって思うんですよね。

大竹:はいはいはい。

けんすう:そういう自分に「頑張っている感」を感じている時って、週に何回も徹夜をしている時とか残業をいっぱいしている時だと思うのです。

大竹:うんうん。

けんすう:でも、それは徹夜や残業していることと、生産性には関係がないということを忘れてしまっている典型じゃないかなと。頑張ってる自分に酔っているだけで、永続性もまったくないし、後には疲労感しか残らない。

 

大竹:確かになー。そういうことを意識し出したのはいつぐらいからでしたか?

けんすう:2007年ぐらいに会社を作ったときのメンバーが、朝起きてすぐプログラミングやって、出社してもずっとプログラミングやっていて、ランチの時間も趣味のプログラミングに打ち込んでいて。帰ってからも寝るまでずっとやっていて、とにかく楽しいからやっちゃうっていうタイプだったんですね。そういうのを見ると、一生懸命嫌なことを頑張ったとしても、自分との間には絶望的な差ができるなと実感しました。

大竹:はいはいはい。

けんすう:そういう人は、その仕事を好きでやっているために、長時間仕事をしていてもずっと集中していられるんです。結果、生産性の高い状態をずっと維持していられる。一方で僕は、長い時間仕事をしているのは同じだけど、好きな仕事だけをやっているわけではなかった。だからあまり集中していない時間も長くて、はかばかしい成果というものを上げられていなかった。

大竹:なるほどなるほど。

けんすう:じゃあ好きな仕事をすればいいかといえば、現実の仕事の中には好きじゃない仕事も膨大にあるわけで。だったらそういう仕事でも、「頑張ってやっている」という気合を入れずにローカロリーにやれる方法を模索しなければいけないんだなーって思いました。

習慣化の魔法

大竹:では、嫌な仕事をローカロリーにやる方法は?

けんすう:それは仕事というか、やらなければいけない作業の多くを習慣化することです。

大竹:習慣化?

けんすう:人ってストレスがたまっている時にこそ習慣に頼る習性があるそうです。その原因は、ストレスがある時というのは心に余裕がない状態なので、そういう時に人は新しい挑戦を避け、惰性で行動するからというものだと思うのですが。

大竹:なるほど。

けんすう:それで、好きじゃない仕事をしている時ってまさにストレスを感じているときなので、「いつも通りじゃない方法であれこれ工夫してやろう」なんて思っていたら、心に余裕がないがためにその仕事の実行すら怪しくなってしまいます。

大竹:心に余裕がない状態とはそもそも、本来は仕事なんか手につかないような状態であると。

けんすう:だからそういう仕事をいつも難なくやり遂げるには、いつも通り“力まずに”、惰性で動いているような状況を生み出す必要があるというわけです。