閲覧注意…『進撃の巨人』の元ネタになったとも言われる衝撃事件

本当にあった封印事件②
長江 俊和 プロフィール

私をここから連れ出して

姉妹が下宿を初めて、3ヵ月以上が経過。バニシェフスキーは、シルヴィアがベッドで失禁したことに激怒する。腹に真っ赤に熱した針を押し当て、『私は淫売です。そのことを誇りに思っている』との文字を焼き付けた。

さらに両親に宛てた手紙を書かせた。手紙の内容は、「セックスや盗みを繰り返す、自分の悪行を懺悔する……。悪い少年たちに連れ去られ、幾度も殴られ、顔や身体に字が残り、腹部に焼き文字も入れられた」。もちろん、その内容はでたらめである。

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数日後、シルヴィアは息を引き取った。すぐにバニシェフスキーは通報し、警官が駆けつけた。シルヴィアの書かせた手紙を、これ見よがしに差し出して言う。「この子は淫売なんだよ。悪い男に連れ回され、ひどい目にあって帰ってきた。こうなることは自業自得だったんだ」。

だがその時、ジェニーが勇気を振り絞って、警官に告白した。「私をここから連れ出して。何でも話すから」。

 

ガートルード・バニシェフスキーは殺人容疑で逮捕された。その後裁判が開かれ、無期懲役の判決が下される。それから5年後、バニシェフスキーは控訴し、減刑が認められ、1985年に出所。事件から25年後の1990年に肺ガンにより死亡した。

彼女の訃報を新聞記事で知ったジェニーは、満面の笑みを浮かべて言ったという。「いいニュースだ。忌々しいバニシェフスキーの婆さんが死んだ。私は満足だよ」

※参考文献 
『小作人とアザラシ女――スコットランドのいいつたえ』ジュディ・ハミルトン 先川暢郎・橋本修一訳(春風社)
『殺人百科(新装版)』コリン・ウイルソン パトリッシア・ピットマン 大庭忠男訳(彌生書房)