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中国人富豪たちの仰天告白「間もなく日本で中小企業を爆買いします」

ホテル、旅館、料理屋、不動産屋が危ない
山下 知志 プロフィール

中国人が「日本ブランド」を欲する理由

経済産業省と中小企業庁は、商工会議所などと連携して、47都道府県に中小企業のM&Aなどを仲介する事業引継ぎ支援センターを設置している。

中小企業の第三者への会社や事業の譲渡について、専門家が無料で経営者の相談に応じたり、マッチング支援を行ったりしている。支援センターの設置は2011年からだ。今年6月末までに累計で2万8101社の経営者が相談に訪れ、1671社のM&A成約に至っている。

 

特に税制拡充などが加わった今年4~6月の相談社数は、前年同期比で4割増えて2587社となった。M&A成約数も193社と前年同期比で25%増のペースで拡大している。政府による集中支援を背景に、M&Aが後継者難の中小企業における事業承継の有効な選択肢として関心が高まっていることがわかる。

中小企業が数多く集まる東京・大田区の50代の経営者は、「現時点で後継者はいません。従業員は7人います。でも、全員職人ですよ。営業ができて、現場に指示を出し、経理も理解できる人はいない。後継者が見つからなければ、会社を売ることも考えないといけない。そう思っている経営者は多いですよ」と言う。

会社を売ることに、あまり抵抗がなくなっている経営者も増えてきたように見える。今後は、売りに出される中小企業が増えるだろう。

とはいえ、後継者のいない中小企業は127万社もある。その半分は黒字経営で、60万社を超える計算になる。買収しやすいとはいえ、これだけの数の企業を国内企業や個人のM&A で、10年間で片付けるのは無理な話だ。当然、外資系企業も参戦してくる。

中小企業ではないが、中国などアジアの企業が日本の名門といわれる大企業を買う動きはすでに大きなうねりとなっている。

ハイアール(海爾集団)は、三洋電機の白物家電事業を、山東如意集団はレナウンを、ホンハイ(鴻海精密工業/台湾)はシャープを、マイディア(美的集団)は東芝の白物家電を、レノボ(聯想集団)はNECと富士通のパソコン事業を、寧波均勝電子はタカタを、ハイセンス(海信集団)は、東芝のテレビ事業を買収、または過半数を超える出資を行って傘下に収めている。

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これらの買収劇で共通するものは、「ブランド力」だ。日本企業や欧米企業のM&Aの多くは、シェアを高めるため、事業分野を拡大するため、あるいは海外進出を一気に広げるためといった事例が多い。だが、中国企業のそれはブランドを強く欲していることがわかる。

なぜ彼らは、それほどまでにブランドにこだわるのか。

「たとえば、白物家電です。冷蔵庫や洗濯機など世界シェアでは圧倒的に高い。企業規模も世界ランキング上位に食い込んでいる。技術力も身につけた。しかし、ブランド力という面では、日本や欧米企業の足元にも及ばない。中国企業は大手といえども、創業が20年か30年程度の歴史しかないのが実情で、中国企業の弱点は、そこにある。有名ブランドを世界で買い漁り、そのブランド力を利用することで、名実ともに、一気に上位に躍り出ようという狙いがある」(中国企業のM&Aに詳しい専門家)