「不安をあおる情報」への対処方法
家計の改善は、食費、通信費、被服費、交際費といった、普通のご家庭でも高くなりがちな費目を中心に削減を図りました。
「節約しないと、貯蓄が減りそうだ」という話を息子さんたちに伝えると、ぶつぶつといいながらも、勉強を居間でして、エアコン代などの電気代の節約を考えてくれたり、間食を減らしてくれていたり、さりげなく協力をしてくれたそうです。こうして、毎月4万円ほどの余剰ができたので、iDeCoにはとりあえずご夫婦それぞれ5000円ずつ、計1万円を充てて、残りをできるだけ貯蓄して減らした分の挽回に努めました。
ボーナスが減らなくなったことが大きく影響し、減らした分は1年間で挽回できました。そして、いつも節約を心がけるとともに、必要な支出がきちんとできるように努め、iDeCoの掛け金は少しずつ増やしているそうです。
はじめに言いましたが、Bさんのように「良い制度」という勧めを信じ込み、家計状況を省みずにやめにくい支出を作ってしまう人は、iDeCoが始まってから多いように思います。
これも、老後資金についての不安を植え付けるのと同様に、情報を発信する側の過剰さにより、導いてしまったことなのかなと思います。
簡単なことではないでしょうが、「情報」と、それを「自分の場合には」と判断する力を少しずつでも養っていきましょう。そして、自分の場合には、という冷静な判断をできるようになっていただきたいです。
今後もまたこうした参考になる事例を紹介したいと思っておりますので、楽しみにしていただければうれしいです。