2017.08.23
# 日本株

「老後は3000万円必要」を信じてiDeCoにハマった夫婦の悲劇

貯めているはずが、家計が破綻した理由
横山 光昭 プロフィール

貯めているつもりが、赤字転落の大ピンチ

いままで夫の掛け金の1万2000円について、Bさんは「妻が家計をやりくりして何とか支払えているはずだ」と思っていたのですが、実は妻は無頓着で、結果的に毎月のやりくりを知らず知らずのうちにボーナスから補填していることになっていたのです。

iDeCoは2018年からは、毎月ではなくて、年払いで掛け金を拠出することも可能になっているのですが、Bさんはその手続きが面倒だと感じ、そのままにしていました。

そこへきて今回、妻がiDeCoに加入して2万3000円の支出を増やしてしまったため、Bさんは老後資金を貯めているはずが、実際には家計が赤字という本末転倒な状況になっていたわけです。きちんと家計状況を把握し、iDeCoの掛け金として出せる金額を吟味して始めなかったことが原因です。

 

しかも、お金が足りない状況になると、クレジットカ―ドを利用し、翌月、さらにはそれ以降の支払いは増加するばかり。赤字は時とともに進み、悪循環の繰り返しで、ボーナスだけでは補填ができなくなる日も近くなってきました。

追い詰められたBさんご夫婦は、この状況を改善すべく、家計相談にやってきたのですが、このケースの改善は簡単ではありません。

なぜなら第一に、iDeCoは一度始めたら掛け金額の変更はできても、60歳まで原則やめることができません。掛け金の支払いをやめて運用だけにすることもできますが、それでは手数料ばかり取られる可能性があり、始めた意味がなくなってしまいます。

そのため、最低5000円からできる掛け金の支払いは続けたいのですが、それを毎月の収入から支払えないことにはいまの状況から脱却できません。そこで、早急に状況を改善すべく、手数料もかかっていたクレジットカードの支払いは、いまある貯蓄を使って一度に支払ってしまうことにしました。

次に家計の支出を改善し、収入との差額を作らなくてはいけませんでした。その差額をiDeCoの資金にしたり、貯蓄に回せるようにすることを目指したのです。

Bさんご一家の手取り収入は約35万円。対して支出は35万円。いわゆるトントンですが、何かあった際には赤字にすぐ転落する家計です。高校生の息子さんが2人いて出費がかさむ時期ではありますが、仕方がないとはいっていられません。

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