2017.08.23
# 日本株

「老後は3000万円必要」を信じてiDeCoにハマった夫婦の悲劇

貯めているはずが、家計が破綻した理由
横山 光昭 プロフィール

老後のために「iDeCo」をすすめられた

退職金が出て、貯蓄と合わせても老後資金は3000万円にも満たないことを不安に思った男性会社員のBさん(52歳)。資産運用について調べてみると、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の加入対象者が拡充されことで、自分も対象となることを知りました。とはいえ、制度がよくわからないし、ピンと来ていませんでした。

そんなときに会社の同僚から、「iDeCoは退職金の代わりになるよ。掛け金は全額所得控除で運用益は非課税というお得な条件で投資ができるし、投資が嫌なら貯蓄もしていける。うちは企業型の確定拠出年金が導入されていないから、やらなきゃ損だろ!」と何度か言われるうち、始めなくては損をする気持ちになったそうです。

 

さっそく掛け金の上限額を確認すると、企業年金の都合で月額1万2000円まで。この程度ならば支払っても毎月のやりくりは何とかなるだろうし、そもそもみんなができているんだから自分も大丈夫だろうと、そう安易に考え始めてみることにしました。

Bさんはじつはこのとき、気持ちの底のほうで、お金を貯めたいと思っているのになかなか貯蓄を増やせない奥さんへの不満であったそうです。

また、自分ならこんなに貯められるという自慢をしたい気持ちがあり、同僚から薦められたこの方法こそが「お金が貯められる最良の策」と思い込んでしまったのだそうです。

加えて「いまなら各金融機関がキャンペーンなどをしている」という情報もBさんの気持ちを後押ししました。

さっそく、Bさんはネット証券で口座を開設。掛け金1万2000円は、毎月引き落としの登録をした給与振込口座から引かれ、iDeCoに積み立てられていく仕組みにしました。積み立てた金額は半月するとインターネットで確認することができるので、毎月確認していたそうです。

photo by iStock

運用益がわずかにつき始め、確認することが楽しいと感じ始めたころ、「妻にもiDeCoを始めさせよう。専業主婦だと税金は安くならないらしいが、老後資金を作るにはちょうどいい」と思いつき、妻(49歳)にも同じように専業主婦の上限額である月額2万3000円でiDeCoを始めさせました。

一家としては、これで月額3万5000円の支出になったのですが、このとき、Bさんご夫婦はある重大な失敗をしていることに気が付いていませんでした。

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