「20万円超のエアロバイク」が全米で爆発的に売れる理由

フィットネスクラブのSNS化に成功
小林 雅一 プロフィール

中流層からの需要も強い

しかし実際に同社が製品を売り出してみると、富裕層だけでなくミドル・クラスからの需要も意外に強かったため、同社はそうした層に向けてエアロバイクを割賦販売し、ストリーミング教室の受講料と合わせ、月額97ドルで提供し始めた。

これが功を奏して、ぺロトンは2015年に約6000万ドル、翌2016年には約1億7000万ドルと、年率100%以上の増加ペースで売り上げを伸ばしていった。

2018年には約7億ドルの売り上げを見込んでいる。また具体的な金額は不明だが、同社CEOによれば既に黒字化を達成したという。

 

一方、事業規模を拡大するための資金もどんどん集まり始めた。

多数のエンジェル投資家らに加え、フェイスブックやネットフリックスに投資したことで知られるベンチャー・キャピタル「TCV」が先日、5億5000万ドルの出資を決めたことで、ぺロトンの時価総額は40億ドルへと一気に膨れ上がった。早ければ2019年には、IPO(株式公開、上場)を狙っていると言われる。

〔PHOTO〕gettyimages

この勢いに乗って、同社は(エアロバイクに加え)ランニング・マシン(treadmill)の開発・製品化も進めている。これは小売価格が約4000ドル(44万円)とさらに高額の商品だが、ここまでの手応えを見る限り、かなりの数のユーザーが購入すると期待している。さらに今後は欧州やカナダへの進出も予定しているという。

フィットネスに代表されるフィジカルな業界は一見、SNSのような仮想コミュニティの対極に位置すると思われがちだが、ぺロトンの成功はこうした業界でもIT化による技術革新の余地が十分に残されていることを示している。