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東京医大不正入試問題「知らんぷり経営陣」のフザけた実態

「責任は前理事長と学長にある」と…

「根深い不正の構図」がある

「負のレガシー(遺産)」「長く悪しき慣行」「根深い不正の構図」……。

東京医科大学・内部調査委員会(調査委)の中井憲治委員長(弁護士)が、8月7日、記者会見で発した言葉は痛烈だった。

 

東京地検特捜部が、7月4日、文部科学省の佐野太前局長を受託収賄容疑で逮捕。贈賄側となった東京医大は、翌日の緊急理事会で調査委を設置。会見は、約1ヵ月の調査を踏まえてのものだった。

当初、中井氏は、佐野氏の私立大学研究ブランディング事業の支援対象校に選定される見返りに佐野氏の息子を不正入学させたという贈賄行為は、起訴された臼井正彦前理事長、鈴木衛前学長という2人の「資質の問題だと思っていた」という。

だが、関係者の聴取を重ね、証拠物件をチェックするうち、元特捜部長でもあった中井氏は、修正する機会は何度もありながらそれをせず、入試の不正を「負のレガシー」として引き継いてきた東京医大には、「根深い不正の構図」があることに気付く。

その結果、東京医大は、「入試制度、女性、受験生とその家族、そして(補助金を支給する)国など、世のなかを欺いた!」と、厳しく批判した。

会見する中井氏(写真右)

その会見終了後の午後5時、大学側の会見が開かれ、行岡哲男常務理事と宮沢啓介学長職務代理が会見に臨んだ。

「心より深くお詫び申し上げます」と、何度も頭を下げ、「女性差別の根絶」「入学試験の改善」「ガバナンスの改善」などを訴えたが、言葉にどこか説得力がない。

それは、「不正は知らず、一切、(不正とは)関わりがなく、事態を知り、驚愕した」と、言い切ったことだろう。

行岡氏は、「噂レベルでも裏口入試の話は聞いていなかったのか」と、問われて「知らなかった」と、答えた。宮沢氏は、事件の2日後、「こんなものがあります」と、事務方から2次試験(小論文と面接)の「属性による得点調整表(現役から2浪までの男子が20点、3浪男子が10点、4浪以上の男子と女子が0点)」を見せられ、初めて調整の事実を知ったという。

写真左から行岡氏、宮澤氏

2人がウソをついているとはいわない。

ただ、私立医大の裏口入学は繰り返され、その事実が発覚、報じられたのは一度や二度ではない。

「女性に厳しい医大」の存在も、受験生の間では日常の話題であり、その表面化を「驚愕して受け止めた」というのは、「見て見ぬふりをしていた」に等しい。

 
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