AI時代には「高学歴・一流企業・正社員」ほど大量失業するワケ

終身雇用は終わる、君は生き残れるか
松崎 隆司 プロフィール

ゴールドマン・サックスで起きた「現実」

確かに、弁護士の仕事についてもすでに韓国ではAI化が進んでいるが、弁護士という仕事がなくなっているわけではない。

記者やアナウンサー、作家などについてもAIで代用できる部分が一部あるというだけで、さらに掘り下げた取材や表現などはAIにはまだできているわけではない。

むしろ、これまで人が負担だと感じていたような仕事をAIがやってくれるようになるということだろう。

 

例えば海外油田の掘削事業を携わる社員は、これまではいったん海にでたら半年ぐらいは沖で生活するような生活を強いられてきた。

しかし、AIやロボット化などのハイテク技術を駆使すれば、掘削や管理業務を無人ですることができるようになる。

しかし、こうした社員の仕事がすべてなくなるわけではない。

AIやロボットなどから集まった情報の解析をやる人員が新たに必要になる。だから、こうしたシステムをコントロールするエンジニアは増員される。つまり仕事の内容が大きく変わっていくということだ。

米国の大手投資銀行、ゴールドマン・サックスのニューヨーク本社では2000年ごろには株の投資をやるために600人のトレーダーを抱えていたが、AI投資に切り替えると2017年にはトレーダーは2人になったが、その一方でこのシステムを運用するため200人のコンピュータのエンジニアが採用された。

ゴールドマン・サックスのCFO(最高財務責任者)に就任予定だったマーティ・チャベス氏は、2017年に通貨取引の自動化も進み「4人のトレーダーを1人のコンピューターエンジニアに置き換えることができる」と説明、ウォール街を襲うAIリストラとして大きな話題を呼んだ。さらにゴールドマン・サックスの営業、取引、研究部門の従業員の平均年棒は50万ドルともいわれ、従業員が大幅に減ったことで企業収益とともに幹部社員の所得は上がり、AI化の波は所得の2極化を加速しているという現実もある。

では、日本のサラリーマンはAI時代にどのような働き方をしていかなければならないのか。

「AI化が進めば仕事のやり方は、大きく変わる。仕事には柔軟性やスピードが求められるので、固定的な組織が半永久的に同じような仕事をやるのではなく、例えば、期間限定のプロジェクトベースでやるべき仕事はどんどん変わっていく。だから正社員がメインストリームであるという必然性もなくなっていくし、必要なスキルを持った人が必要なタイミングに活躍し、処遇される、という流れはすでに欧米では始まっています。

リーダーは、時代の変化を察知しながら次の一手を決めていく力が求められます。一方で、社員も目的を達成するために必要なスキルを持っている人材であるかどうかが重要視されるようになります。だから、勉強をし続けて、必要なスキルを持つ人材になる努力をしていかなければ切り捨てられていく」(同)

では、具体的にはどうすればいいのか。

「リーダーは、日々変わるAIの動きをアップデートし、対応できるようなITリテラシーは必要だし、弁護士などの専門家もAIから提供される情報に付加価値をつけなければ代替されてしまう」(岡田氏)