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# 日本経済

デフレ大国ニッポンで「インフレに苦しむ老人」という残酷な現実

知られざる「物価格差」の正体

経済力の乏しい「年金生活者」を直撃している

いまこの日本で、高齢者が「物価上昇」に直撃されていることをご存じだろうか。総務省の公表する「消費者物価指数」と「家計調査」を分析してみたところ、そんな実態が浮かび上がってきた。

私は1980年代後半生まれで、物心ついた頃には日本はデフレに陥り、失われた20年に育った世代だ。日本銀行が2年程度で2%の目標を掲げ、異次元の緩和を開始して5年が経ったが、目標にはほど遠い。それなのに「物価上昇」とは、なにを言っているんだ? そう思う方は少なくないだろう。

しかし、これは紛れもない事実。いまこの日本で、とりわけ経済力の乏しい年金生活者が物価上昇の直撃を受けているという現実がある。

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まずは、次の図表1をご覧いただきたい。これは見慣れないデータだろうが、2010年を100とした消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)を、「年齢別(世帯主の年齢階層別)」に表した推移である。

これ見ると、10年から13年までの3年間は、年齢別の物価指数に大きな差はなく、3年間の上昇率は0.1~0.3%に収まっている。それが、13年から17年までの4年間では、39歳以下が3.7%に対して60歳以上は5.5%と、その差が2%ポイント近く開いており、指数の差は年々広がっている。

 

若年層は、消費税率引き上げ(5%→8%)のあった14年こそ物価が大きく上昇したものの、その後の物価水準は概ね変わっていない。一方、高齢者は消費税率引き上げ後も基調は変わらず物価上昇に直面している。