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「格付け委員会」に酷評されたアメフト問題・日大第三者委報告の中身

これは確かにひどすぎるかも…

全然ダメ、第3者委員会報告

さまざまな不祥事にからんで第三者委員会が出した報告書を格付けする民間の「第三者委員会報告書格付け委員会」(委員長・久保利英明弁護士)がこのほど、日本大学が設置した「日本大学アメリカンフットボール部における反則行為に関する第三者委員会」の中間報告書と最終報告書について、格付け結果を公表した。

格付けはA〜Dの4段階と評価に値しない不合格のFで評価。格付けに参加した8人の委員中7人がD、ひとりがC評価を付ける、かなり厳しい結果となった。

会見した委員長の久保利弁護士と、副委員長の國廣正弁護士が「不合のFに近いD」としており、第三者委員会の報告書として大きな問題を抱えているとした。

日大の第三者委員会は6月29日付で「中間報告書」を公表したのに続いて、7月30日付で「最終報告書」をまとめ

問題発生以来、記者会見を一度も行っていない田中英壽理事長について、「競技部任せの『我関せず』の態度を取り続け、およそ当事者意識を欠いたまま、危機対応責任者として、自ら率先して適切な措置を指示することもなかった」と述べるなど、厳しい非難の言葉が並んでいた。このため、テレビの情報番組などでは、第三者委員会が「厳しい報告書」を出した、という捉え方が多い。

これに対して格付け委員会は、「田中理事長に第三者委員会がヒアリングを実施したのかどうかも明らかにしておらず、一見厳しい言葉が並んでいるようにみえるが、これでは論評にしか過ぎない」と切り捨てている。

 

そもそも田中理事長にヒアリングしたのか

委員長の久保利氏は、「日本最大の学校法人とも言える日大の社会的責任や、その最高権力者である田中理事長の経営責任について、言及していない」と指摘。

報告書が田中理事長に説明責任を果たすよう求めていることについても、「(経営責任への言及を回避して)理事長の説明責任不履行を述べることは、最重要論点にフォーカスしていない、的外れの責任論である」と切り捨てている。

また、監督の内田正人氏が、選手やコーチが逆らえない絶対的な権力を握ることとなった背景には、理事長の信任の下で内田氏が常務理事として強力な権限を握っていた組織体制のあり方に根本的な原因があるとしている。そのうえで、「任命責任を含めた組織的要因たるガバナンス不全を真摯に検証していない」として報告書の不備を指摘している。

そもそもの、委員会の構成についても、メンバーにアメリカンフットボールの専門家や大学ガバナンスの専門家がいないことを問題視。

さらに、委員長の勝丸充啓弁護士については過去に日大と一切の利害関係がなかったことが注記されているが、その他の委員については日大や田中理事長との関係については記載がなく、中立性、独立性が保たれているのか「判定不能だ」と指摘している。

格付け委員会の國廣副委員長も田中理事長についての第三者委員会のヒアリングや問題指摘が不十分だとしている。

「田中理事長という具体的人物が、内田氏という具体的人物を、何故に、どのように重用し、その結果として内田氏の独裁を招き、ガバナンス不全をもたらしたのか」が明らかにされていないと指摘している。

さらに、内田氏らが記者会見して謝罪したこと、日大として第三者委員会を設置したこと、大塚吉兵衛学長が会見のいずれの対応にも田中理事長の事前了承を得ていたことが分かっているのに、報告書が田中理事長が「我関せずの態度を取り続けた」としている点についても「果たして単なる無関心であったのか疑問が大きい」切り込んでいる。

そのうえで、「第三者委員会として、田中理事長に対して、どのような追及、質問をしたのか全く見えてこない」と批判している。